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佐久間side
佐｢...ちょっと離れたぐらいで忘れられる相手じゃなかった｣
小さく息を吐いて顔を上げる。
佐｢...あの日から今まで、茉梨のことを忘れたことなんてなかったよ。だけど...俺も幸せになりたいって思っちゃったの。｣
佐｢茉梨は俺のことが憎いと思う。だけ、｣
茉｢もう、何言ってんの？｣
佐｢...え？｣
茉｢私が大介のこと憎いって？私そんな心狭いと思われてたの？心外だな〜｣
呆れたように笑う茉梨。
茉｢憎いわけないじゃん...あんなに幸せな時間をくれたのに。｣
顔を上げた彼女と目が合う。
茉｢大介と付き合えてよかった。...もう充分だよ。｣
佐｢....っ｣
茉｢ははっ、情けないなぁ｣
茉梨に笑われても、自然と溢れた涙は止まろうとはしない。
茉｢...今日で最後、もう会うつもりもないんでしょ？｣
彼女はすべてわかっていた。
茉｢まあちょっと寂しいけど、仕方ないよね｣
泣きたい気持ちを押し殺して
茉｢でも最後に会いに来てくれて嬉しかったよ｣
彼女はまた、無理して笑うんだ。
茉｢...もう泣きすぎだってばぁ。仕方ないな...私から言うね？｣
俺が羨んでしまうほどに
茉｢今までありがとう。....さようなら。｣
彼女は強い人間だ。
佐｢.....ごめんっ、｣
茉｢なんでごめんなの笑...ありがとうの方が嬉しいんだけど？｣
佐｢...ありがとうっ｣
茉｢...うん、こちらこそ。...ほらっ、そろそろ面会時間も終わりだから。｣
でも、それは結局表面だけ。
強く見える人間は、ただ強がっているだけ。
茉｢ほーら！早く帰りなって！｣
茉梨に強く体を押される。
佐｢...じゃあな｣
茉｢うん、ばいばい｣
最後の別れを告げて病室を出る。
扉を閉めて、しばらく立ち止まる。
病室から微かに聞こえ始めたのは彼女のすすり泣く声。
分かっていた。彼女は強くなんてない。
弱い部分を隠していただけなんだ。
茉｢...大介っ｣
誰もいない空間に響く彼女の呟き。
俺は聞こえないふりをして歩き出した。
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なあや。(プロフ) - りなぷのれんくんさん» 読んでくださりありがとうございます！私の書いた物語で涙していただけるなんて...本当に嬉しいです...！本当にありがとうございました！ (2021年3月7日 7時) (
レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
りなぷのれんくん(プロフ) - 号泣しました。まじでお話の作り方がうますぎて、なんていえばいいか分からないんですけど、めちゃくちゃいい話しすぎました、、、 (2021年2月13日 7時) (レス) id: 4c35f66251 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - なあや。さん» ありがとうございます！ほぼ同じ台詞を使ったりしようと思っていますので、もしよければ、『引きこもりの彼』という作品にてご確認いただけたらな、と思います。本当にありがとうございました！ (2020年10月25日 8時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
なあや。(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます。真似というのは小説内で同じようなシチュエーションを使うという解釈で間違いないでしょうか？でしたら名前出していただけるなら全然大丈夫です！ (2020年10月24日 2時) (レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 本当はチャットではないんですけど、１番最後の、佐久間の事故に遭うところ辺りを、お名前を出させていただくので、真似させていただけませんか？ (2020年10月23日 20時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年8月27日 8時
