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Aside
時はすぎて今は2月。
夜通し降っていた雪であたりは真っ白に染まっていた。
外の世界へ1歩踏み出した瞬間、冷たい空気が頬に当たる。
｢さっむ....｣
思わず口から出たその言葉に反応してくれる人はいなくて
誰の耳にも届かぬまま空へと消えていった。
私はただひとり、公園に向かっていた。
みんなで雪合戦をしたあの公園。
クリスマスに佐久間と話したあの公園。
その全部が大切な思い出で、今でも鮮明に思い出せるほど強く焼き付いていた。
｢思い出詰まりすぎでしょ....｣
そんな言葉もやはり独り言にしかなれなくて。
自嘲的な笑いがこぼれる。
公園に辿り着いて、ポケットに手を突っ込む。
取り出したのはあの日の手紙。
佐久間の想いが詰まった手紙だ。
もう一度読み直してみる。
あの日から何度も読み返したけど、何度読んでも馬鹿だなって思う。
だけど、何度読んでも涙がこぼれてしまうんだ。
何度も開いたその手紙はいくつもシワがついているし、涙のあとが滲んでいる。
だけど、これを開くのも今日が最後。
私も前に進まなきゃいけないから。
もう一度ポケットに手を突っ込んで取り出したのはライター。
この場で燃やしてしまおうと思った。
何度も何度も読み返した。
佐久間の言葉を1文字もこぼさないように。
最初から最後までじっくり読んだ。
だから、もう充分。
きっともう、私にこの手紙は必要ない。
｢そうだよね....？｣
問いかけてみても、それに答える声はやっぱり聞こえなかった。
その時、雪を踏みしめる音が聞こえて、それが徐々に近づいてきた。
『こんなところにいたんだ』
その足音の主は私に話しかける。
『あ、その手紙...』
私の手元を見ると、彼は懐かしそうに微笑んだ。
『....それ、どうする気？』
そんなの決まってるじゃん。
｢...今から燃やすんだよ｣
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なあや。(プロフ) - りなぷのれんくんさん» 読んでくださりありがとうございます！私の書いた物語で涙していただけるなんて...本当に嬉しいです...！本当にありがとうございました！ (2021年3月7日 7時) (
レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
りなぷのれんくん(プロフ) - 号泣しました。まじでお話の作り方がうますぎて、なんていえばいいか分からないんですけど、めちゃくちゃいい話しすぎました、、、 (2021年2月13日 7時) (レス) id: 4c35f66251 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - なあや。さん» ありがとうございます！ほぼ同じ台詞を使ったりしようと思っていますので、もしよければ、『引きこもりの彼』という作品にてご確認いただけたらな、と思います。本当にありがとうございました！ (2020年10月25日 8時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
なあや。(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます。真似というのは小説内で同じようなシチュエーションを使うという解釈で間違いないでしょうか？でしたら名前出していただけるなら全然大丈夫です！ (2020年10月24日 2時) (レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 本当はチャットではないんですけど、１番最後の、佐久間の事故に遭うところ辺りを、お名前を出させていただくので、真似させていただけませんか？ (2020年10月23日 20時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年8月27日 8時
