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Aside
何も言ってあげられない自分が惨めでもどかしい。
佐久間の声を聞きながら、時間の流れをただ静かに感じていた。
その時だった。
コンコンッと扉がノックされる。
阿｢失礼します...｣
控えめに挨拶をしながら入ってきたのは阿部くん。
阿｢佐久間、久しぶり｣
佐久間は阿部くんを見てしばらく固まったかと思うと、慌ててそっぽを向いて涙を拭った。
その様子を困ったように笑いながら見つめる阿部くん。
阿｢佐久間のお母さんから聞いたよ〜手術受ける気ないんだって？｣
重い内容とは裏腹にその声は明るかった。
佐｢うん...受けないつもり...｣
さっきはそれが佐久間の本心だと思っていた。
だけど落ち着いてその言葉を聞いてみれば、本心は違うんだってようやく気づいた。
阿｢...俺は受けてほしいよ。｣
阿部くんは佐久間の近くでしゃがみこむと、控えめに口を開き始めた。
阿｢もし失敗したらって考えたら怖いだろうし、佐久間と会えなくなるかもしれないって思ったら俺も怖いよ。だけどね...俺らに2ヶ月はあまりにも短すぎるよ...｣
阿部くんの震えたそのか細い声が、私の涙腺までをも弛めてしまう。
静まり返った病室には3人分のすすり泣く声が響き始めた。
阿｢最後は本人の意思だって分かってる...だけど、だけどね....佐久間とこの先ずっと一緒にいられる可能性が0じゃないなら、俺はそっちに賭けて欲しいって思ってる...｣
佐久間を見つめる阿部くんの目には涙が溜まっていて真っ赤だった。
だけどその奥には力強さがあって。
佐｢...阿部ちゃん｣
阿｢...ん？｣
佐｢A....｣
｢....なに？｣
佐｢俺...生きたいよ.....｣
佐久間は初めて私たちに本音を話してくれた。
その時静かに開いた扉。
佐｢...手術、受けさせてください.......｣
入口の近くで何かが落ちる音がした。
佐母｢大介...今、なんて...？｣
大きく目を見開いてこちらを見つめているおばさん。
佐｢...俺、手術受けたい｣
目に涙を溜めたおばさんは、そのまま佐久間に勢いよく抱きついた。
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なあや。(プロフ) - りなぷのれんくんさん» 読んでくださりありがとうございます！私の書いた物語で涙していただけるなんて...本当に嬉しいです...！本当にありがとうございました！ (2021年3月7日 7時) (
レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
りなぷのれんくん(プロフ) - 号泣しました。まじでお話の作り方がうますぎて、なんていえばいいか分からないんですけど、めちゃくちゃいい話しすぎました、、、 (2021年2月13日 7時) (レス) id: 4c35f66251 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - なあや。さん» ありがとうございます！ほぼ同じ台詞を使ったりしようと思っていますので、もしよければ、『引きこもりの彼』という作品にてご確認いただけたらな、と思います。本当にありがとうございました！ (2020年10月25日 8時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
なあや。(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます。真似というのは小説内で同じようなシチュエーションを使うという解釈で間違いないでしょうか？でしたら名前出していただけるなら全然大丈夫です！ (2020年10月24日 2時) (レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 本当はチャットではないんですけど、１番最後の、佐久間の事故に遭うところ辺りを、お名前を出させていただくので、真似させていただけませんか？ (2020年10月23日 20時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年8月27日 8時
