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Aside
物音ひとつしない静かな部屋。
その空間にいるのは私だけではない。
だけどそれだけ静まり返っているのは
目の前の彼が眠っているから。
手術は無事終わった。あとは彼が目を覚ますのを待つだけ。
そしたらきっと元気になって
また陽気に話をする彼がいて
冬休みが明けたら、楽しい学校生活が戻ってくるだろう。
静かな摩擦音だけを立ててゆっくりと開いた扉。
阿｢帰らなくて大丈夫？｣
笑いながら優しく声をかける阿部くん。
だけど、彼の目はうっすら赤かった。
阿｢....ほんとに、何やってるんだろうねこいつ。｣
｢ほんとだよね....｣
目を閉じている彼に私たちの会話は聞こえていない。
阿｢人のことばっか気にしてさ...自分のこともっと大切にしろよって話だよね｣
佐久間の脳に見つかった腫瘍。
検査結果で現したその姿はもうかなり進行している状態で。
自覚症状があったはず。
先生はそう言った。
手術をすれば取り除くことが出来る。
しかしそれはとてもリスクがあって難しい手術だ。
成功する可能性も低い。仮に成功しても何らかの後遺症が残るかもしれない。
もう少し早ければ......
先生の放つ言葉全てが恨めしかった。
難しい手術だからなに？それを練習してきて医者になったんじゃないの？
もう少し早ければって、どれぐらい？
全部見当違いで意味のない批判だって、自分でもわかっていた。
だけど何かに八つ当たりしなきゃ自分が壊れそうだった。
阿｢ほんとに、なんでもっと早く言ってくれなかったんだろ......あと2ヶ月で一生分の思い出作れるわけないじゃんっ、｣
阿部くんが歯を食いしばって涙を流す。
手術をするかしないかは本人の意思に委ねる。
しないという選択をした場合、彼に残された時間は2ヶ月。
佐久間なら、手術を受けてくれるでしょ？
だけど、不安だったんだ。
私は彼に
｢生きたい｣と思える何かを与えられているのか、って。
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なあや。(プロフ) - りなぷのれんくんさん» 読んでくださりありがとうございます！私の書いた物語で涙していただけるなんて...本当に嬉しいです...！本当にありがとうございました！ (2021年3月7日 7時) (
レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
りなぷのれんくん(プロフ) - 号泣しました。まじでお話の作り方がうますぎて、なんていえばいいか分からないんですけど、めちゃくちゃいい話しすぎました、、、 (2021年2月13日 7時) (レス) id: 4c35f66251 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - なあや。さん» ありがとうございます！ほぼ同じ台詞を使ったりしようと思っていますので、もしよければ、『引きこもりの彼』という作品にてご確認いただけたらな、と思います。本当にありがとうございました！ (2020年10月25日 8時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
なあや。(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます。真似というのは小説内で同じようなシチュエーションを使うという解釈で間違いないでしょうか？でしたら名前出していただけるなら全然大丈夫です！ (2020年10月24日 2時) (レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 本当はチャットではないんですけど、１番最後の、佐久間の事故に遭うところ辺りを、お名前を出させていただくので、真似させていただけませんか？ (2020年10月23日 20時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年8月27日 8時
