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阿部side
残された俺らは誰一人として喋ろうとしない。
誰もが分かっていた。
佐久間の体に何かが見つかったのだ。
それが本当に悪いものかなんて分からない。
だけど、あの医者の顔を見ればそれはほぼ確定しているようなもので。
俺らはただ静かに、検査の結果を待つしかないのだ。
何時間経っただろうか。
そんなに経っていないかもしれない。
だけど体感的にはまるで永遠に待たされているような気すらして
近づいてきたその足音に気づいた時には勢いよく立ち上がっていた。
医｢お母さま....少しお話、よろしいでしょうか？｣
佐久間の母親はすっかり疲れた様子で頷いた。
医者が背を向けて歩き出した瞬間。
佐母｢あの！....この子達も一緒でよろしいですか？｣
彼女はそう言って俺らのことを指した。
医｢...お母さまがよろしければ大丈夫ですけど....｣
戸惑った様子で答える医者。
佐母｢...ひとりで聞くの怖いから...一緒に来てもらってもいいかな？｣
彼女の言葉に、俺らは黙って頷くしかなかった。
通された部屋はテレビでよく見るような場所。
壁際には光るボードがあって、検査結果とかここに貼られるのかな〜なんて。
逃避行動のひとつなのだろうか。
俺の脳は佐久間のことを思い出さないように必死だった。
医｢お待たせしました｣
何かを手に持った先生が部屋に入ってきて小さく頭を下げる。
そしてその手に持っていたものをボードの前に貼れば、影のようなものがはっきりと姿を現した。
それは恐らく、脳の画像。
とてつもなく嫌な予感がした。
医｢先程も申し上げましたが、事故による怪我はそこまで酷くないので安心してください。しかし...｣
医｢彼の脳に、腫瘍が見つかりました｣
あぁ、最悪だ。
余命は...なんて冷静に話し続ける先生。
声を上げて泣き崩れる母親。
呆然として立ち尽くすA。
俺はきっと観客。
3人のキャストによる舞台を見に来ているだけ。
頼むからそうであってくれ。
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なあや。(プロフ) - りなぷのれんくんさん» 読んでくださりありがとうございます！私の書いた物語で涙していただけるなんて...本当に嬉しいです...！本当にありがとうございました！ (2021年3月7日 7時) (
レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
りなぷのれんくん(プロフ) - 号泣しました。まじでお話の作り方がうますぎて、なんていえばいいか分からないんですけど、めちゃくちゃいい話しすぎました、、、 (2021年2月13日 7時) (レス) id: 4c35f66251 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - なあや。さん» ありがとうございます！ほぼ同じ台詞を使ったりしようと思っていますので、もしよければ、『引きこもりの彼』という作品にてご確認いただけたらな、と思います。本当にありがとうございました！ (2020年10月25日 8時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
なあや。(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます。真似というのは小説内で同じようなシチュエーションを使うという解釈で間違いないでしょうか？でしたら名前出していただけるなら全然大丈夫です！ (2020年10月24日 2時) (レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 本当はチャットではないんですけど、１番最後の、佐久間の事故に遭うところ辺りを、お名前を出させていただくので、真似させていただけませんか？ (2020年10月23日 20時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年8月27日 8時
