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阿部side
17時を過ぎて数十分が経過した。
ちょっと遅れるってどんぐらいなんだろう。
来てくれると分かっているからか、待つこと自体は苦痛じゃなかった。
だけど、時間が過ぎる度に不安が募る。
徐々に冷え始めた指先にハーっと息を吐けば、その場しのぎ程度に暖まるだけだった。
少し視線を落とせば、さっき買ったプレゼントが目に入る。
これを渡したら、どんな顔をするだろう。
喜んでくれるかな。
そんなことを考えているうちに自然と口元が緩む。
すると、スマホが音を立てる。
画面を見れば、Aからの着信だった。
阿｢もしもし？｣
電話に出てもAの声は聞こえない。
阿｢今どこにいるの？｣
｢....｣
阿｢あと何分ぐらいで着きそう？｣
｢......｣
阿｢もしよければ、迎えに行こうか？｣
間を埋めるように質問を繰り返しても、Aは何も言おうとしない。
阿｢A〜、どうしたの？｣
遅れてしまうことに罪悪感を感じてしまっているのだろうか。
だから暗いのかな？
そう思った俺はAを安心させるために大袈裟なくらい明るい口調で話しかけた。
するとAのすすり泣く声が聞こえ始め、ようやくAが言葉を発した。
｢.....佐久間が...｣
俺はいつの間にか走り出していた。
華やかに飾り付けられたクリスマスの街で男がただ一人全速力で走っている光景は異様でしかないだろう。
すれ違う人間から向けられる視線は様々。
指をさして笑う人もいれば、不思議そうに見つめてくる人もいる。
すれ違った瞬間に驚いたように声を上げる人に謝る間すらなくて
『佐久間が.....事故にあった』
Aのその言葉が嘘であって欲しいと願いながら
俺は脇目も振らずに病院に向かっていた。
.
阿｢A！！！｣
名前を呼べば、廊下の先で俯いていたAがゆっくりとこちらを向く。
その奥には｢手術中｣の赤いランプ。
その光景は、佐久間から聞いたあの日の出来事を思い出させた。
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なあや。(プロフ) - りなぷのれんくんさん» 読んでくださりありがとうございます！私の書いた物語で涙していただけるなんて...本当に嬉しいです...！本当にありがとうございました！ (2021年3月7日 7時) (
レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
りなぷのれんくん(プロフ) - 号泣しました。まじでお話の作り方がうますぎて、なんていえばいいか分からないんですけど、めちゃくちゃいい話しすぎました、、、 (2021年2月13日 7時) (レス) id: 4c35f66251 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - なあや。さん» ありがとうございます！ほぼ同じ台詞を使ったりしようと思っていますので、もしよければ、『引きこもりの彼』という作品にてご確認いただけたらな、と思います。本当にありがとうございました！ (2020年10月25日 8時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
なあや。(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます。真似というのは小説内で同じようなシチュエーションを使うという解釈で間違いないでしょうか？でしたら名前出していただけるなら全然大丈夫です！ (2020年10月24日 2時) (レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 本当はチャットではないんですけど、１番最後の、佐久間の事故に遭うところ辺りを、お名前を出させていただくので、真似させていただけませんか？ (2020年10月23日 20時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年8月27日 8時
