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Aside
しばらく黙っていると、阿部くんが顔を顰めた。
阿｢もしかして...佐久間にも誘われてる？｣
｢えっ...｣
思わず出てしまった声。
はっと気づいて口を手で押さえる。
でもその行動自体が肯定を表しているようなもので...
阿｢...やっぱりそうなんだ｣
阿部くんは確信を持った様子。
眉を下げて、乾いた笑いをこぼした。
阿｢先越されちゃったかぁ...｣
独り言のように呟きながら頭をかく阿部くん。
ふと顔を上げた彼と目が合うと、その口元が小さく笑った。
阿｢...佐久間との待ち合わせは何時？｣
｢...17時｣
阿｢場所は？｣
｢駅前の公園...｣
阿｢そっか....｣
阿部くんは手を顎に当てて考え込む。
阿｢じゃあさ...俺は17時に時計台の下で待ってるから｣
｢....え？｣
阿｢絶対に来てとは言わない。Aが佐久間に会いに行くつもりなら、俺の所には来なくていい。それでも俺は待ってるから。｣
阿部くんの目はとても優しくて、それでいて真剣だった。
阿｢Aを困らせてるのは分かってる。だけど、俺はそろそろAの返事を聞きたい。だから、許して？｣
頭が酷く混乱していて、上手く言葉が出てこない。
そんな私を見て阿部くんは笑いながら頭を撫でた。
阿｢...じゃあ俺は帰るから。またね。｣
私に別れを告げると、彼は背中を向けて歩き出す。
残された私はしばらくその場を動くことが出来なくて
どんどん遠くなる阿部くんの背中をただ静かに見つめていた。
...阿部くんは前に進もうとしているんだ。
私は彼の気持ちを知りながらも、彼のことをちゃんと考えようとはしなかった。
はっきりとした答えを出さずに今日までずるずると引き伸ばしてきた。
今度こそちゃんと....ちゃんと向き合おう。
『自分がどうしたいのか、もうちょっと考えた方がいいよ』
ふと、照の言葉を思い出した。
自分に嘘をつくのはもうやめよう。
自分の出した答えがたとえ誰かを傷つけてしまうとしても。
自分の気持ちに正直に.....。
そう決心した私は右手にぎゅっと力を込めた。
クリスマスまであと4日。
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なあや。(プロフ) - りなぷのれんくんさん» 読んでくださりありがとうございます！私の書いた物語で涙していただけるなんて...本当に嬉しいです...！本当にありがとうございました！ (2021年3月7日 7時) (
レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
りなぷのれんくん(プロフ) - 号泣しました。まじでお話の作り方がうますぎて、なんていえばいいか分からないんですけど、めちゃくちゃいい話しすぎました、、、 (2021年2月13日 7時) (レス) id: 4c35f66251 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - なあや。さん» ありがとうございます！ほぼ同じ台詞を使ったりしようと思っていますので、もしよければ、『引きこもりの彼』という作品にてご確認いただけたらな、と思います。本当にありがとうございました！ (2020年10月25日 8時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
なあや。(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます。真似というのは小説内で同じようなシチュエーションを使うという解釈で間違いないでしょうか？でしたら名前出していただけるなら全然大丈夫です！ (2020年10月24日 2時) (レス) id: a53474b7ec (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 本当はチャットではないんですけど、１番最後の、佐久間の事故に遭うところ辺りを、お名前を出させていただくので、真似させていただけませんか？ (2020年10月23日 20時) (レス) id: a0b82fa00b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年8月27日 8時
