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すっかり体は回復して
いつも通りに学校についた。
自分の席に着くとなんとなく感じる違和感。
...今日は一段とこそこそと話す声がうるさい。
気のせいかな...？
あまり気にしないようにしようとイヤホンを取り出す。
『A』
イヤホンを耳につけようとした瞬間、聞こえた声に手を止めた。
｢おはよ、珍しいね｣
深｢まぁね〜｣
朝だからなのか、少しふわふわしているふっか。
遅刻常習犯のふっかがこの時間に学校にいるのはわりと驚くべきこと。
深｢Aさあ、今日の放課後空いてる？｣
｢空いてるけど...なんで？｣
深｢スマホ、買いいこ｣
ないと不便でしょ？、と言ってあざとく首を傾げる。
そういえばそろそろ買いに行かなきゃだよなぁ。
自分はなくてもいいけど、連絡が取れないと相手に迷惑がかかる。
｢そうだったね...でも1人でいけるよ？｣
深｢やーだ、俺が行きたいの｣
｢...ありがと｣
深｢どういたしまして｣
と微笑むふっかはほんとに優しいと思う。
深｢....あ！！｣
突然大きな声をあげるもんだから、肩が大きく揺れた。
深｢...照も一緒でいい？｣
｢...照？｣
深｢うん、今日タピオカ行く約束してたの忘れてて...｣
照とは最近話してない。
だから少し楽しみだった。
｢照がいいなら、一緒がいいな｣
深｢了解！じゃあまた放課後来るから｣
｢あ！ふっか！｣
教室を出ていこうとするふっかを慌てて呼び止める。
深｢ん？｣
｢あの、お昼...ごめん｣
そういえば一瞬悲しそうな目をしてすぐに笑った。
深｢気にすんなって！俺友達多いからさぁ、たまには構ってやんなきゃ可哀想じゃん？｣
本当はそんなこと思ってないのに
わざと明るくしてみせるんだ。
少し黙っていると
おい突っ込めよ！なんて騒ぎ出すふっか。
思わず笑みが零れた。
｢ふっか、いつもありがと｣
優しく微笑んだふっかは手を振って教室を出ていった。
それと同時に入ってきたのは蓮。
目｢...おはよ｣
目が合うと小さく呟いた。
｢...お、はよ｣
久しぶりにする挨拶に緊張して声が震えてしまった。
それを見て盛大に吹き出す蓮。
目｢ははっ、なに緊張してんの？｣
｢...だって、｣
そこまで馬鹿にされると私も面白くない。
目｢...あのさ、｣
｢...ん？｣
目｢あとでまた改めて話し合う時間作るから｣
目｢とりあえず仲直りしね？｣
優しすぎる蓮の言葉に大きく頷いた。
｢ありがと｣
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年5月24日 2時
