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田中side
放課後になって真っ先に向かったのはもちろん保健室。
田「翔ちゃん!Aちゃん大丈夫!?」
勢いよく扉を開ければ椅子に座って話す翔ちゃんとAちゃん。
櫻「お前うるせえよ!」
怒られても気にしない。
田「Aちゃん体調どう?」
目線を合わせて話せばびっくりしているAちゃん。
「もう大丈夫です...」
櫻「もう熱は下がったみたいだよ〜」
いやぁ若いと回復早いね、と笑いながら席を外す翔ちゃん。
田「ごめんね?俺体調悪いの知らなくて」
Aちゃんは首を横に振る。
「全然...運んでくれてありがとうございました」
田「んーん、気にしないで」
頭をポンポンと撫でるとキョトンとした顔でこちらを見る。
そこへAちゃんの荷物を持った翔ちゃんが帰ってくる。
櫻「Aさ〜、どうする?1人で帰れる?」
「はい、大丈夫です」
田「親呼べば?」
「今ひとり暮らししてて...」
櫻「そーなんだよね〜、送ってあげたいんだけど車に乗せるわけにもいかねえしなぁ」
でも心配だよなぁ、なんて唸る翔ちゃん。
田「じゃあ俺送ってくよ」
そう言えば驚いた顔で同時にこちらを見る2人。
櫻「...お前まさか」
田「いや病人に手出したりしねえよ!」
冗談だって、なんて笑いながらAちゃんに荷物を手渡す。
「ありがとうございます」
櫻「いいえ〜、樹になんかされたら言ってね?」
田「なんもしねえから!Aちゃん帰ろ!」
歩き出せば後ろを着いてくるAちゃんは小動物みたいで可愛かった。
「あ、先生!パンありがとうございました」
櫻「あー、いいよいいよ。お大事に〜」
ペコッと頭を下げて小走りでこちらに来る。
田「ゆっくりでいいよ〜」
「...ありがとうございます」
2人で一緒に校舎を出る。
田「はい、荷物貸して」
「大丈夫です、持てます」
田「病人は甘えとけばいいの〜」
そう言って半強制的に荷物をとり上げる。
「...先輩って意外と優しいんですね」
微笑みながら見上げるAちゃんに胸が高鳴る。
田「意外とって笑」
きっとAちゃんの俺に対する第一印象は最悪。
それでも笑いかけてくれるのは彼女の優しさだろう。
田「...昨日はごめんね」
「無理やりあんなことして」
目を見て謝るとAちゃんは地面を見て顔を歪めた。
「...怖かったです、すごく」
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作者名:なあや。 | 作成日時:2020年5月24日 2時