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目黒side
翔太くんタイプ変わったのかな？
それにもうひとつの違和感。｢翔太｣という呼び方。
翔太くんがその呼び方を許してる女子はAだけだったはず。
...まあ彼女だからそれは当たり前か。
目｢...翔太くんどういうことっすか？｣
渡｢...そのまんま。今日こいつと飯食うから。｣
目｢...そっすか｣
｢んじゃ、俺もう行くんで｣
渡｢おう｣
篠崎｢蓮くん！ばいばい！！！｣
軽く会釈してその場を去る。
...あー、なんかあの子苦手だ。
翔太くんの彼女ってことはこれから会うしかないこともあるのかなー。
それでも心の中ではAを取られる心配がなくなったんじゃね？なんて
この期に及んでそんなこと考えてる自分に嫌気がさした。
...てかもしかして
今Aとふっかさんってふたりきり？
いや、でもふっかさんまだ購買行ってないかもしれないし...。
無意識のうちに屋上へ向かう足は急いでいた。
屋上へ続く階段を登りきる。
少し乱れた呼吸を落ち着かせながら扉を開けようとドアノブに手をかける。
しかし、回そうとした手の動きを思わずとめた。
ドアについた小さい窓から見えるAとふっかさんの姿。
2人は楽しそうに笑っていた。
ここから見えるAはすっかり安心しきって表情が緩んでいる。
ああ、なんだ。
Aってふっかさんといる時あんな顔するんだ。
瞬間、蘇るのは週末の記憶。
...あのふたりの間にあるのはきっと俺には理解できないほど深い絆。そして信頼。
きっと金曜日も、Aに何かがあったんだ。
そして、Aはふっかさんを頼った。
...きっとそう。
そうであってほしい。
そうであって欲しいけど...
そこで頼られたのが俺じゃないという事実は受け入れたくなかった。
それに向かい合って笑うふたり。
誰が見てもお似合いだった。
目｢...くそっ｣
どうしようもなく悔しくて。
でもそこに割り込む勇気なんてなくて...。
そのまま振り返って、来た道をもどる。
...翔太くんだけじゃなかった。
彼氏になれただけで油断してたのかもしれない。
Aに想われてる翔太くんばかり意識していた。
でも、Aのいちばん近くにいたのはふっかさんだった。
...なんだよ、俺に勝ち目なんてねえじゃん。
もしAが失恋したら
その時救ってあげられるのはきっと俺じゃない。
...諦めようかな。
でも、もう少しだけ。
Aの彼氏でいてもいいかな。
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年5月24日 2時
