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蓮が帰ったあと、何もする気が起きなくて
この2日間はただただぼーっとして過ごした。
「...行きたくないなぁ」
自分がどんな状況であろうと世界は変わらずに動き続けるわけで、気分が沈んだまま月曜日を迎える。
自分の席につけばまた聞こえる悪口。
いつもの様にイヤホンで閉ざす。
自分の好きな歌を選ぶ。
でもなぜか今日は集中できなかった。
突っ伏したまま何気なく右を向けば登校してきた蓮と目が合った。
でもすぐそらされる。
あからさまな態度に胸が痛くなる。
そのまま私の横を素通りして自分の席につく。
それを見て驚いたような顔をするクラスメイト。
先生が入ってくるのを見てイヤホンを外せば聞こえてくる声。
『あのふたり別れたのかな?』
『目黒くんに振られたんじゃない?笑』
『ざまぁみろ笑』
...まだ振られてないし。
周りの声がすごく鬱陶しい。
きっと蓮にも聞こえているだろうけど、彼はなんの反応もしめさない。
授業の終了時刻を知らせるチャイムがなる。
いよいよ昼休み。
『ねぇねぇ蓮くん!!』
『今日購買?一緒に行かない?』
休み時間になればすぐに蓮の周りに群がる女子。
今日は1日ずっとこの調子だ。
中には私を睨みつける人や勝ち誇った顔をする人もいる。
傷つくというよりは腹が立つ。
こんなんじゃ蓮に声をかけることも出来ない。
仕方なくひとりで屋上に向かう。
重たいドアを開けば優しい風が頬をなでる。
そこにはまだ誰もいなかった。
いつもの場所に座り込む。
1人になればまた思い出される週末の出来事。
...考えちゃだめだ。
忘れようと首を横に振る。
ガチャ
深「...ふっ、なにしてんの?笑」
「...うるさい」
タイミング悪く入ってきたのはふっか。
でも今日は1人だった。
深「...髪ぐっちゃぐちゃじゃないですか笑」
そう言って髪を手ぐしで整えてくれる。
「...ありがと」
深「どういたしまして」
深「...目黒は?」
その名前に心臓が跳ねる。
「...ちょっと色々あって」
深「色々って?」
そう聞かれて土曜日のことを正直に話す。
深「...まじで?俺のせいじゃん...ごめん」
「ううん、ふっかは悪くない。むしろ助けてくれたこと感謝してる。」
深「でも目黒...」
「私が、追いかけてちゃんと話すべきだったの。」
「でも、できなくて...」
そこまで言って言葉につまる。
流れる沈黙。
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作者名:なあや。 | 作成日時:2020年5月24日 2時