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深澤side
深｢なあ、てめえ今なんつった？｣
渡｢だから、女なら誰でもよかったんだ、｣
深｢ふざけんじゃねえぞ！！！｣
怯まずに睨み返す翔太にさらにイライラが増す。
深｢冗談でも言っていいことと悪いことがあんだろ｣
｢そんなのAを傷つけていい理由になんねえよ｣
どちらも睨み合ったまま言葉を発することはなく、しばらく沈黙が流れる。
渡｢...ははっ｣
渡｢...いい人ぶってんじゃねえよ｣
深｢...は？｣
馬鹿にしたように笑い出す翔太。
渡｢お前だって同じ状況だったら手出してんだろ？｣
深｢...お前何言ってんの？｣
...今までの発言が全部翔太の本心ではないことなんてとっくに気づいていた。
ほんとにそんな理由でキスしてりゃ普通は｢傷つけた｣なんて心配はしない。
深｢翔太...そろそろほんとのこと話してくれよ...｣
俺はお前に対して腹が立っているこの状況が辛いんだよ。
深｢...本当はそんなこと思ってないだろ？な？｣
深｢お前あんなにAのこと大事にしてたじゃん...｣
渡｢...勝手な解釈するのやめろよ｣
深｢本当のことだろ。お前Aのことまだ好きなんだろ？｣
｢なんで篠崎なんかと｣
渡｢いい加減にしろよ！！！｣
感情を爆発させて怒鳴り出す。
渡｢俺がAを好きって？ただの憶測だろ。｣
｢偉そうに説教してんじゃねえよ｣
深｢憶測なんかじゃねえよ｣
｢いい加減認めてほんとのこと教えろよ｣
渡｢...認めて何になる？｣
自嘲気味に笑う翔太の目が微かに潤む。
渡｢俺がAへの気持ちを認めたらなにになる？｣
渡｢お前がなにかしてくれるわけ？｣
深｢...俺もできることはするつも、｣
渡｢お前に何ができるの？何も知らねえのに？｣
声を震わせながら言う翔太の頬にひとすじの涙が流れる。
深｢...お前が話してくれれば助けるよ｣
渡｢...ないよ｣
｢今お前に話せることはなんもない｣
深｢...｣
渡｢...てか手離せよ｣
ずっと襟を掴んでいた手から力が抜ける。
悲しみで染まった顔を見て何も言えなくなった。
渡｢...ごめん、怒鳴ったりして｣
泣き顔を隠すように俯いて涙を拭う。
深｢いや、いいけど、お前...｣
渡｢ちゃんと、いつか話すから｣
渡｢...その時は、ちゃんと聞いて欲しい...｣
深｢...おう｣
その後はいつも通りに話そうとしてもどこかぎこちなくて
少し気まずいまま別れた。
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年5月24日 2時
