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深｢...そりゃ、ちょっとは期待したよ？｣
｢ずっとAのそばにいたのは翔太じゃなくて俺だったし、いつの間にかひとりの男として好きになったってことがあってもいいんじゃねえかって｣
ねえ、ふっか。私も勘違いしちゃうじゃん...
...だってそんな言い方、まるで...
深｢だから、その少しの可能性にかけてみたくなって別れたの｣
ふっかが私のことを...
深｢...俺ずっとお前のこと好きだったんだからね？｣
そう言って私と目を合わせるふっか。
目をそらすことが出来なかった。
｢...友達、として...だよね？｣
深｢...んなわけないじゃん笑｣
深｢お前のことが、女の子として好きだったよ｣
深｢...正確に言えば進行形だけど｣
...なんて残酷なことをしてしまったんだろう。
思わせぶりなことを言って
慰めて、なんて泣きついて
...大事にしたいと思っていたふっかのこと
すごく傷つけていた。
気づけば枯れたと思っていた涙がまた溢れ出した。
｢ふっか、わたし、｣
｢ふっかのこと、傷つけた｣
泣いていいのは私じゃないのに
きっとふっかの方が泣きたいはずなのに
涙を止めることが出来ない。
深｢あーあ、泣くなって〜俺が泣かせたみたいじゃん笑｣
ふっかの暖かい手が私の頬を包む。
｢ごめんなさ、｣
私の言葉は遮られた。
...ふっかの唇によって。
ゆっくりと離れる顔。
ふっかの潤んだ瞳と目が合う。
深｢...もし悪いと思ってんなら｣
深｢俺にお前を慰めさせてよ...｣
手を引かれて寝室に入る。
ベッドに押し倒されればすぐに重なる唇。
ふっかの右手がTシャツに入る。
...抵抗する気なんてなかった。
してはいけないとさえ思った。
時折苦しそうな顔をするふっかは
最後まで私を優しく抱いた。
深澤side
横で寝息を立てるA。
頬に残る涙の跡が目に入る。
深｢...ごめんな｣
感情に流されるままAを抱いたことを後悔した。
Aに想われてる翔太。
彼氏である目黒。
...そしてずっと友達だった俺。
今まではそれでいいと思っていた。
彼女にとって心の支えでありたいと思っていた。
でも、翔太に泣かされて
いちばんつらい時に俺に頼ってくれたAをみて
欲が出てしまったんだ。
深｢...俺ならお前を泣かせない、とか言いたかっんだけどなぁ｣
...俺の方がよっぽどひどいことしてるじゃん。
｢しょ、た...｣
寝言で呼ばれた他の名前に胸が苦しくなった。
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年5月24日 2時
