愛されたい。【青】 (ページ1)

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騒がしい教室。

でも私に話しかけてくる人なんていない。

遠くでこちらを見てなにかコソコソ話してる女子。
どうせ悪口か新しい噂でも流してるのだろう。

｢...わかりやす｣

ため息をついて外を眺める。

窓際の後ろ。
こんな当たり席を引いた自分だけは褒めてやりたい。

『...なんであんなやつが目黒くんと』

どこからが聞こえてくる声。
...もううんざりだ。

周りの音をシャットダウンするようにイヤホンで耳を塞ぐ。
机に突っ伏してイヤホンから流れる聴きなれた歌に集中する。

誰かに肩を叩かれて顔を上げた。

机に手をかけてしゃがんでいる彼。
思いのほか近くにあった顔に驚き肩を揺らした。
そんな私を見て緩んだ口が｢おはよ｣と動く。

イヤホンを外してもう一度彼を見る。

｢おはよ｣

改めて言い直す彼は目黒蓮。
私は彼と付き合っている。

高い身長に整った顔。女子からの人気も高い。

私が妬まれる理由の大半はおそらく彼がモテるから。
ファンクラブがあると噂を聞くほど人気な彼と付き合っているのは顔しか取り柄のない私。

昔から外見に恵まれていることは自覚していた。
周りから向けられる好意に気づかないほど馬鹿でもなかった。
少し甘えてやればすぐに落ちる男共。
その結果性格はこうも歪んで、女子には嫌われるようになってしまったわけだが...。

だが女子の友達がいないだけでは苦労しないくらい周りには常に男がいたのだ。

そんな女が蓮と付き合ってるとなれば、そりゃ周りもよく思わない。

だけど私たちは普通のカップルじゃない。