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Aside


あっという間に夕方になった。




岩「佐久間、これ俺らから」





そう言って照がだいちゃんに渡したのは





クラスのみんなで寄せ書きをした色紙。






岩「...ずっと友達だからな」


『私たちのこと忘れないでね...』『また遊ぼうな!!』





口々にだいちゃんへのお別れを伝えるみんな。





佐「...ありがとっ...!」


岩「泣くなって〜」






だいちゃんは涙を流しながら、精一杯笑って見せた。







岩「またな!元気でなー!」


佐「...またね!」







照の何気ない「またな」が





今日が最後じゃない、次がある
と言っている気がした。







照と別れてふたりで歩く帰り道。






すごく静かだった。






「...今日楽しかった?」


佐「え?あ、うん!すごく楽しかった...」







お別れが近いせいか、すごく寂しそうに答えるだいちゃん。







「明日もお見送りにいくからね」


佐「うん、ありがとう」







また会話が途切れる。








佐「...あのさ」






もうすぐマンションに着くというところで





沈黙を破っただいちゃんの声。





振り向けばひどく緊張した様子だった。









「なに?」







すると、だいちゃんは小さく深呼吸をして顔を上げた。






真剣なその表情に息を呑む。







佐「...僕、Aちゃんがすき」


「...え?」






だいちゃんが...?私を....?




「...すき?」







聞き返すと、だいちゃんは強く頷いた。





言葉の意味を理解すると、途端に顔が熱くなる。





慌てた私は、言ってはいけないことを口にした。







「...な、なに?ドッキリ?だ、誰かに見られてるの?これ」


「もー!からかうのやめてよ!」







ドキン






俯いていた顔を上げただいちゃんは








泣いていた。







あぁ、私







だいちゃんを傷つけた。






「...ごめ、」








私の言葉を聞く前に






だいちゃんは走り去った。








追いかけることなんて出来なかった。







.






「...え?もう行っちゃったの?」





次の日の朝、お母さんから聞いたのは





もうだいちゃんは行ってしまったということ。





『うん...お別れしなくていいのか聞いたらしいけど、いいんだって。...あなた達何かあったの?』


「...なにもないよ」







お母さんに正直に話すことなんて出来なかった。

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作者名:なあや。 | 作成日時:2020年6月28日 2時

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