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岩本side
｢照ごめん！遅くなっちゃって｣
別室で1人で作業していると、Aが帰ってきた。
岩｢大丈夫大丈夫、むしろごめんな？余計疲れた？｣
｢ううん、いい気分転換になった｣
心底楽しそうに笑いながら隣に座るA。
岩｢どうだった？阿部とふたりは｣
｢んー？すごく楽しかったよ？｣
Aは作業する手を止めることなく答える。
岩｢どんな話したの？｣
｢えっとね...恋バナ？｣
岩｢え？お前が？｣
｢提案したのは阿部くんだけどね｣
いや、どっちにしろイメージと違うんだけど...
｢...そういえばさ｣
岩｢ん？｣
いたずらな笑顔を向けるA。
｢照って、昔私のこと好きだったよね？｣
岩｢...は？｣
｢ふふっ、バレてるよー？｣
笑いながら頭をガシガシと撫でてくる。
岩｢お前、やめろって｣
腕を掴んで止めてもAはニコニコしたままこちらを見ている。
岩｢...悪ぃけど、それ勘違いだから｣
｢え？勘違い？｣
岩｢...ふっ、ひっでえ顔｣
｢えー...私めっちゃ恥ずかしいじゃん...｣
俯いて顔を真っ赤にするA。
｢ねえ、手離してよ｣
岩｢なんで？｣
｢恥ずかしいから！顔隠したい｣
岩｢じゃあだめ｣
えー、と言って拗ねたような顔をするのが可愛かった。
にしても、いつからバレていたんだか。
というか｢好きだった｣ってことは、今は好きじゃないと思ってたのかな？
｢...そろそろ離しても良くない？｣
そう言うと上目遣いでこちらを見る。
...やばいかも。
ふたりきりの空間でこの顔はだめでしょ。
岩｢んー、もうちょっと...｣
｢...なんか、周りから見たら手繋いでるみたいじゃん｣
岩｢手の方がいい？｣
手首を掴んでいた手を離してそっと手を握る。
するとAの顔がさらに赤くなる。
｢...照なんか変。｣
岩｢そう？｣
俺も自分で思う。
今日の俺おかしいなって。
｢...照離して？｣
岩｢...やだ？｣
｢や、じゃないんだけど...ドキドキして、死にそう｣
Aの潤んだ瞳と目が合う。
...そんな目で見られたらさ
我慢できなくなるじゃん。
理性を失った俺はいつの間にか
Aに唇を重ねていた。
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年6月28日 2時
