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岩本side
二｢若い子ってみんなメイド好きなの？｣
岩｢いやそういう訳じゃないと思いますけど...｣
二｢ふーん...｣
さっきから先生に捕まってずっと話している。
先生も文化祭は楽しみなようで、企画をたくさん提案していた。
まあ、俺に言うだけなんだけど...
｢んー...じゃあコスプレ喫茶はどう？メイドはいいと思うんだけど、嫌な人もいると思うから。コスプレなら各々好きな衣装選べるし...｣
女子の考えに寄り添った提案をするA。
『それめっちゃいい！』
『男子にもやらせよ！』
賛成の声が続々とあがる。
阿｢確かにいいかも...じゃあコスプレ喫茶でいいと思う人〜｣
全員の手が一斉に挙がり、俺たちのクラスはコスプレ喫茶をやることになった。
二｢Aを副委員に任命したの、正解だと思わない？｣
岩｢それは、思います｣
二｢だろ〜、あいつがクラスにいてよかったわ｣
なぜかドヤ顔で話す先生。
たしかに、あそこまでリーダーシップのあるやつがクラスにいると先生も楽だよな。
もう一度前に目を向けるとAと佐久間が話しているのが見える。
...佐久間もAもいつも通りっちゃいつも通りなんだけどな。
なんとなくぎこちない気がするのはなぜだろう。
佐｢照〜、お仕事でやんすよ〜｣
岩｢おう、ありがと｣
佐久間が持ってきた紙には｢企画書｣の文字。
佐｢それを俺たちが書いて出したらおしまいだって｣
岩｢わかった｣
紙にざっと目を通していると、先生が口を開いた。
二｢佐久間ってさ、Aと中学別だよね？｣
A、という名前にドキンと心臓が跳ねる。
先生まって、その話題NGかもしれない...
佐｢はい、違いますね｣
二｢でも入学前から知り合いだったの？｣
...この人何者？
どこでその観察眼手に入れたの？
佐｢まあ、そうですね。小さい頃に...｣
二｢なんであんな気まずそうなの？｣
ストレートすぎるって...
先生の容赦ない質問に俺まで焦る。
佐｢やだなぁ、別に気まずくないっすよ〜？｣
動揺することなく答える佐久間。
二｢...ふーん｣
佐久間の嘘に気づきつつも、諦めた様子の先生。
佐久間を見ると、貼り付けたような笑顔をしていた。
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年6月28日 2時
