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阿部side
半ば無理やり押し付けられた委員長の役目。
仕方なく前に出る。
二｢副は女子がいいかなぁ〜...女子でやりたい人手挙げて〜って、早いよ...｣
先生がそう言ったのを聞いて前を向く。
...うん、なにこれ。
ほとんどの女子が手挙げてるじゃん。
何が起きてるんだ...？
二｢は？なに？阿部ってそんな人気あるの？腹立つなぁ...｣
俺人気なの？
佐｢阿部ちゃん顔がいいんで！｣
二｢佐久間はどういう立場だよ｣
いやいや、佐久間何言ってくれてんの。
心の中でため息をつく。
もう一度辺りを見渡してみる。
...あれ、手挙げてない子いるじゃん。
...Aさんだ。
なんだ、Aさんは俺に興味ないのか。
なぜか落ち込んでいる自分。
二｢ん〜...困ったなぁこれ。この人数でじゃんけんもなぁ...｣
Aさんならいいな、なんて思ってたけど
もうこの際誰でもいいや...
二｢あ...ちょうどいい人いるじゃん｣
二｢A、お前やって｣
｢え？｣
え？
だってAさんは立候補してない...
『先生なんでですかー？』
『Aちゃん手挙げてなかったよ？』
『うちらやる気あるのに〜』
口々に文句を言い始める女子達。
二｢あー、うるせえうるせえ。お前ら下心丸出しなんだよ！！てことで、A前出て。あとはよろしく〜｣
そう言って空いている俺の席に座り込む先生。
Aさんは遠慮がちに立ち上がって前に出てくる。
...こんなラッキーなことってあるんだ。
ニヤけそうになるのを必死に抑えた。
阿｢Aさん、よろしくね｣
｢うん、よろしく｣
ニコッと笑った彼女はすごく可愛かった。
それを見て今度は男子がざわつき始める。
今のは俺に向けた笑顔だから、なんてらしくないマウント取ってみたり。
｢...じゃあ私書いてくから、進行お願いしていい？｣
阿｢あ、うん。まかせて｣
頷くと、チョークを手にスラスラと黒板に書き始めるAさん。
『Aちゃん字上手だね！！』
クラスの陽キャっぽい男子がふざけて声をかける。
｢あはは、ありがと！｣
怖気付くことなく笑顔で対応するAさん。
Aさんって大人しそうに見えて、意外とリーダーシップありそう。
なんか、すごく心強い。
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年6月28日 2時
