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Aside
佐｢...A｣
帰ろうとしていた時、名前を呼ばれて顔を上げるとさっきの金髪の人が立っていた。
｢...だいちゃん？｣
ゆっくりと頷く彼。
本当にだいちゃんだ...
涙がこみ上げてくるのを必死に堪える。
佐｢...一緒に帰ろ｣
｢...うんっ｣
久しぶりにだいちゃんの隣を歩ける。
それだけで私は浮かれていた。
｢...元気にしてた？｣
無言で歩くだいちゃんに声をかける。
佐｢うん、めっちゃ元気だったよ。Aは？｣
｢私も、楽しく過ごしてたよ｣
佐｢そっか〜、よかった｣
優しい笑みを浮かべるだいちゃん。
だいちゃんは身長が伸びて、私が見上げる側になった。
昔はAちゃんって呼んでいたのに呼び捨てにされると、なんとなくくすぐったい気持ちになる。
佐｢...懐かしいなぁ〜｣
マンションに近づいてきた時、だいちゃんが呟く。
見慣れたはずの道も、今日はなんだかキラキラして見えた。
｢だいちゃん、｣
佐｢あのさ｣
｢...ん？｣
話しかけようと声を発したが、遮られる。
佐｢...その呼び方、やめない？｣
｢...え？｣
佐｢もう高校生だし、さすがに恥ずかしいかな...｣
...どうして？
昔はだいちゃんって呼ぶ度に嬉しそうに笑ってくれたじゃん...
佐｢佐久間って呼んで｣
｢...なんで？そんなの、まるで他人みたい、｣
佐｢俺らさ、3年以上も離れてたわけだし｣
ゆっくりとこちらを向くだいちゃん。
佐｢...もう、他人みたいなもんじゃん？｣
その笑顔に、ズキンと胸が痛んだ。
なんで平気でそんなこと言えるの？
離れてた時間以上に
同じ時を過ごしてきたじゃん。
...どうして？
｢...だいちゃん、変わっちゃったね。昔はもっと、｣
佐｢昔の俺がなに？変わっちゃだめだった？｣
軽蔑するような冷たい目に、何も言い返せなかった。
佐｢...そういうの、鬱陶しいわ。｣
｢だいちゃんっ！！！｣
私に背を向けると、振り返ることなく歩いていってしまう。
小さくなる背中をただ見つめる。
...そっか。
そういうことか。
だいちゃんは
私のことを許していないんだ...
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年6月28日 2時
