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岩本side
同じクラスの欄に見つけた佐久間の名前。
あいつ、やっと帰ってきたんだ...
3年ぶりの再会か...
Aの隣を譲るしかないという寂しさもある。
けれど、それ以上にすごく楽しみだった。
会ったらどんな反応するかな。
どんな話をしようか。
思わず笑みがこぼれる。
だけど、Aを見ると
彼女の表情は暗かった。
...そっか、Aと佐久間は最後...
岩｢...心配しなくても大丈夫だよ、きっと｣
不安そうにしているAに
そう声をかけるのが精一杯だった。
俺の席は前から2番目。
名簿順だから仕方ねえか...
前の席をぼーっと見つめていると、椅子が引かれる。
ふと顔を上げるとバチッと目が合った。
阿｢あ、岩本くん、だよね...？｣
岩｢あ、はい｣
阿｢さっき背高い人いるなぁって思ってたんだよね！同じクラスだったんだ！｣
岩｢はあ...｣
阿｢あ、ごめんね。えっと、阿部です。これからよろしくね｣
岩｢...おう、よろしく｣
前の席のやつとは難なく(？)仲良くなった。
その時、隣の席に誰かが座ったのが見えた。
『あー！阿部ちゃん近いじゃーん！』
阿｢声大きいよ。笑｣
誰か気になって隣を向く。
岩｢...佐久間？｣
佐｢うん、佐久間だけど...って、照？｣
岩｢そう！俺！照！｣
佐｢えー！まじで！？久しぶりじゃん！！｣
阿｢待って、全然話読めないんだけど。知り合い？｣
佐｢そう！俺ら同じ小学校！｣
佐久間は昔の内気な性格からは考えられないほど明るくて
髪も派手な色をしていた。
まあ校則は緩いからその辺は平気なんだろうけど...
岩｢佐久間変わったな｣
佐｢ほんと？友達作るのに受け身じゃだめだ！って思ってさ〜｣
性格はすっかり変わった佐久間。
だけど、にこにこと笑う姿は昔と何も変わっていなかった。
岩｢そういえば、Aも、｣
『すいません、遅くなりました〜』
話そうとした瞬間、担任らしき人が教室に入ってきて話が途絶える。
仕方なく前を向く。
...気のせいだろうか。
Aの名前を出した瞬間。
佐久間の笑顔が引きつったのは。
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作者名：なあや。
| 作成日時：2020年6月28日 2時
