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Aside


スプーンで掬ったお粥に息をふきかけて冷ます。






...そんなまじまじ見られたら緊張しちゃうんですけど。







体調が悪いせいか、目がトロンとしている翔太。








不謹慎だけど、それが可愛くて仕方がない。







「はい、あーん...」






ゆっくりと開いた口がスプーンをぱくりと咥える。









渡「...んま」


「ほんと?よかった...もうちょっと食べれそう?」








頷いた翔太は既に口を開けて待機している。







私こんな可愛い生き物知らない...







なんだろう、このキュンキュンは。








...これが母性ってやつなのかな?








渡「ごちそうさま...」


「お粗末さまでした」


渡「...ごめん、残して」


「ううん、食べてくれただけで嬉しいよ」








やはり食欲は回復していないようで






美味しいといいつつも、半分ぐらい残してギブアップ。








「薬飲めそう?」


渡「うんー...」








水と錠剤を手渡すと、すんなり飲んでくれた。








横になった翔太に布団をかけ直す。







「寒くない?」


渡「大丈夫...」








翔太の手を握ると、いつもよりも熱かった。






こんな辛そうな翔太見るの、初めてかもしれない。







出来ることなら変わってあげたいけど...








それは無理だから精一杯看病はしてあげよう。








「おやすみ」


渡「...帰らないで?」


「うん、帰らないよ」


渡「ずっと、いる?」


「いるよ。だから寝よ?おやすみ」


渡「...おやすみ」








私の言葉を聞いて安心したように目を閉じた翔太。








布団の上からリズム良く叩いてあげれば








しばらくして寝息が聞こえてくる。








...ほんとに綺麗な顔してるよなぁ。







こんなかっこいい人が彼氏でいいのかな、不釣り合いかな?なんて不安になるくらい。







「...そんなことより」






翔太が寝てる間に色々済ませなきゃ。







まずは洗い物をして...








翔太のために何か食べ物買い足しとこうかな。









起こさないようにそっと手を離して部屋を出た。

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作者名:なあや。 | 作成日時:2020年7月4日 0時

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