[Elext City] Ⅲ (ページ10)

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Fuka《流石、久しぶりに来た新卒採用なだけあるねぇ》
Hika《ふっか、これはどういう事だ、話がさっぱり…》
Fuka《ひかるはとりあえず、rau♡の事を信じて暫く@beちゃんがこの人型バグを消そうとするのを防げばいいって事》
rau♡《え、Fukaさん…？》

Fuka《あれ？驚いた？まぁ驚くよね。ふふ、そりゃ可愛い可愛い最年少と元最年少たちのお願いだからね》
クスクスと笑いながら、Fukaは疑問符を頭に沢山浮かべているHikaを説得する。
Fuka《ほら急いで行ってきな。時間は残念ながら有限だよ？》
rau♡《…ありがとうございます！》

Fukaに一礼を送り、rau♡はログアウトしてその場から姿を消した。
Hika《…@beに反抗するような真似をしていいのか？》
Fuka《ひかるはこのままJuriや俺が消えてもいいと思うの？》
Hika《このままだと消えてしまうのか？……それは、嫌だ》
Fuka《でしょ？だからほら、その人型ちゃん…佐久間を守るよ》

Juri《深澤さん…！》
Fuka《ごめんね、寂しかったよね。大丈夫、俺はそこまでプロテクトかけられてないから、ちゃぁんと樹の事も覚えているよ》
Hika《？》
今にも泣き出しそうなJuriの頭を撫でるFukaと、やっぱり状況が飲み込めず頭に沢山のハテナを浮かべるHika。
それを見ながら、s@kuは「大丈夫、きっと助けてくれるよ」と呟く。

《へぇ、何だか結託してるんだねぇ》
不意に聞き覚えのない声が聞こえて来た。
FukaとHikaが臨戦態勢を取り、後の3人を守るように立つと、目の前にいた男はヘラヘラと笑う。
《わぁ、そんなに殺気立たないでよ。危害は加えないからさぁ》

Hika《…何者だ》
Fuka《失礼ですけど、どちら様？》
男は何も危害を加えません、と言いたげに手をヒラヒラさせている。
《んー、まあそこら辺にいるただの村人Aくらいに思っていてよ》
Fuka《ただの村人Aは今この世界に入れないはずだけど？》

Kochi《ありゃ、そうだね。まぁちょっと協力関係結んでたからその特権かな。はじめまして～、Kochiだよ、よろしく》
少しおどけたように、場違いなまでに明るく言う男はそうしてNPCを見ながらクスクスと笑った