[Elext City] Ⅲ (ページ8)

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rau♡《実態…？》
Juri《…誰かを犠牲にした娯楽なんて、あっていい訳がない》
rau♡《犠牲？…その方は、一体…》
s@ku《…何も教えられてな■■■ね》
それはきっと、阿部に、という意味だろうか。

s@ku《俺はきょもを助けた■、それだけだ■》
rau♡《きょも…もしかして、この方が向井さんの同期の、》
それじゃあ、何で今まで見つけられなかったのだろうか？
rau♡《…まさか》
s@ku《そ■「まさか」だ■》
rau♡《でも、そんな…じゃあ犠牲、って…！》
s@ku《これでもま■俺を消そ■■する？》

ラウールは口ごもった。
誰かを犠牲にした娯楽、確かにそうかもしれない。
Juri《…だから、終わらせなきゃいけないんだよ》
小さく呟かれた、背後からの声に振り向くと、Juriはいつの間にやら短剣を持って突っ立っていた。

rau♡《…何する気なんですか》
Juri《ねぇ。君はすぐに帰って。ここにいたら君も巻き込まれる》
Hika《待て、Juri！武器を仕舞え！》
Fuka《何でJuriが武器なんか持ってるの！？…まさか北斗、》
Juri《俺たちは本来もうここにいない存在なんです、京本さんの犠牲で俺たちが生きながらえているのなら、こんな世界、》

rau♡《待ってください！》
振り下ろされそうだった短剣を持つJuriの手を掴む。
震えている手と声を聞いて、じゃあ自分はログアウトしますなんて出来る訳がなかった。
だって、助けたいと願っているのにもかかわらず、こんな殺すような真似なんてしたくないだろう？
Juriは目に涙を溜めながら、こちらを見る。
NPCが泣く事なんてないはずなのに、なんて考えが過ぎったが、それどころではない。