[Elext City] Ⅲ (ページ6)

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向井「阿部さん！北斗！ラウ！」
メインサーバーがエラーを起こしたと聞いて、向井はシステム開発部のブースへと駆け込んだ。
阿部「心配しなくても大丈夫。何とかする」
淡々とした口調の中に混ざる苛立ちを感じながらも、発言主の阿部はパソコンから目を離す事無く向井に告げる。
松村も対処に追われている様だった。
画面を見つめるその目に悲哀が映っていたのは、きっと見間違いではないだろう。

向井「…何が起きてるん…あの時みたいな事？」
阿部「断じて違う。すぐに復帰する」
向井「でも、」
阿部「広報部が心配しなくても大丈夫だよ」

▷Route→s@ku

ラウール「…」
酷く事務的な阿部の発言に、ラウールは踵を返すようにDIVEルームへと向かう。
向井「ラウ！？どこ行くん！？」
いつの間にかいなくなっていたラウールを追いかけて来たのか、向井が背後から声をかけた。
ラウール「例の人型バグが関係しているんですよね。それなら、話を聞きに行く方が早いじゃないですか」

向井「DIVEするん！？」
ラウール「あそこにいても、きっと阿部さんに阻止されるだけでしょう？それなら、直接会って聞きに行かないと」
向井「で、でももしラウまであの時みたいな事なったら…」
ラウール「大丈夫です。…大丈夫ですから、信じてください」

心配そうな向井を宥めて、ラウールはDIVEルームへと入ると社員用のパスコードを打ち込んでDIVEした。
人がほとんどいない[Elext City]に入り込んだ彼は、異常の起きているメインサーバー…神殿の方へと、歩を進めた。