[Elext City] Ⅲ (ページ15)

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Juri《！…京本さん、駄目、駄目です！》
《やだ、くるしい、やだ、やだ、ころして、ころしてよ、らくに、させて…！》
震える手で持った鍵と、泣き叫ぶ悲痛な声の京本にどうしたらいいかわからない。
落ちた鍵がカラン、となる音がした。

Kochi《挿しこめばいいじゃない》
気付かぬ内にJuriの傍に立っていたKochiが、鍵を拾い上げる。
その少し後ろで@beが不服そうに立っていた。
何かを言いくるめられたのだろうか。

Kochi《俺が代わりにやってあげようか？》
拾い上げられた鍵を、彼が未だJuriに縋る京本に挿しこもうと向ける。
Hika《待て、お前…！》
@be《邪魔すんな》
冷たく吐かれた阿部の言葉と共に、プログラムで組まれたのだろう、足枷のように組まれた何かに阻まれて動けなくされていた。

Juri《…これは、俺が決める事、なんです、》
パッと奪い取った鍵をもう一度見る。
自分でもわかるくらいに震えた手と、持ち手部分まで凝られた鍵をぎゅっと押さえつけるようにもう片方の手で掴んだ。

rau♡《…Juriさん、》
Juri《大丈夫、俺は大丈夫、……京本さんは、絶対、助かりますから…！》
ラウールは｢賭けだ｣と言っていた。
どう転ぶかなんてわからない。失敗した時にどうなるかもわからない。
それでも、これを挿しこまないと、京本の事は救えない。

Juri《…俺が、助けますから…！》
鍵を京本の左胸、心臓付近に挿しこむ。
異物の侵入による拒絶反応か、京本が抜こうと暴れ出したのを、両手で、宥めるように頭を撫でて、抑え込む。

Juri《大丈夫、大丈夫ですから、》
そう声をかけても、暴れ方は1層酷くなって、どうにかしたいという気持ちが膨らむ。
それでも、祈る事しか出来ないのだ。
Juriも、作ったラウールも、ただ｢賭け｣に勝つ事を祈るしか出来ないのだ。。

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