[Elext City] Ⅲ (ページ14)

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s@ku《──っ、ｶﾞｯ、》
Juri《佐久間さん！》
@be《はは、随分と人情厚いんだね》
バチバチ、と壊れかけの機械のように電気を纏わせ、撃たれた部分を押さえるs@kuの身体は、徐々に崩れ落ちる──体勢などの比喩ではない──言葉通り、パラパラと崩れていっている。

《……さっ、くん……？》
震えるように振り絞った声に、ただでさえモザイクだらけだったのに更に不明瞭になった彼が振り向く。
s@ku《… 縺斐ａ繧、縺斐ａ繧薙?、》
聞こえない、何も聞き取れない。
それでも、悲しそうな顔をしているのだろうとわかる彼に、手を伸ばそうとする。

@be《これで良い。…これで、まだ戻せるよ》
Kochi《egg huntは終わり？長かったねぇ、でも言ったでしょ、俺なら｢そのステージを用意出来る｣。…良かったねぇ、君の望みが果たされて》

阿部とKochiがそんな事を話している間にも、s@kuの身体は崩壊していく。
それが何を意味しているなんて、誰もがわかりきっていた事じゃないか。
……理解は、出来るんだ。

s@ku《… 縺阪ｇ繧、》
パズルの最後の1ピースが落ちるように、そのまま消えたs@kuに、目覚めたばかりの｢偶像様｣は言葉にならない呻き声をあげる。
《……さっくん、》
そう、理解は出来る。理解は出来るのだ。
……久しぶりに解凍された人格で、その事実は受け入れるには重すぎるものだった。

《…あ、あ……》
長らく圧縮にかけられていた｢人格｣という名の｢感情｣は止められる事は出来なかった。
(こんな思いをするくらいなら、)
零れるはずの涙が流れているような、そんな錯覚に陥りながら、駆け寄ってきたJuriに、無我夢中で懇願するように縋った。
《…ころして、じゅり、ころして、おれを、ころして…！》