[Elext City] Ⅱ (ページ19)

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date.《ご用件は？》
暫くして姿を見せたバーテンダーに、向井は《ちょっと、暫くプレイヤーを外に出してほしいんですよ》とまるで取引を始めるかのように言葉を放つ。

date.《…うちは便利屋じゃありませんよ》
ko-ji!《だぁいじな事なんですわ。人型のバグ、御存知でしょ？》
date.《ええ勿論。…そうですね、理由次第ですよ》
ko-ji!《人型のバグを探し出してちょっとお話聞かなあかんのですわ》
date.《何を目的で探し出そうとしてるかはわかりませんが、あまりお遊び目的でバグを詮索するのはよろしくないですよ》

rau♡《あ、あの、僕たち、Starlights社の社員なんです！》
ko-ji!《ちょ、ラウ！》
怪訝な表情を浮かべるバーテンダーに、ラウールは黙っていられなくて声をあげた。
隣で向井がアタフタしているのが見える。なるべく正体を明かさずに進めたかったのか、その辺は定かではないが今は四の五の言ってられない。

date.《…社員さんなら、メンテナンスでもして人払いすればいいのでは？》
rau♡《確かに、1番手っ取り早いのはメンテナンスする事でしょう。でも、これは独断なんです。人型のバグさんを探し出して、…もしかしたら、バグじゃなくてユーザーさんの1人かもしれない。一概にバグだから消去、という訳にもいかないかもしれない。だから、早く探し出して、お話を聞きたいんです！》
ぎゅ、と拳を握っていたからか、それとも自分の想いを吐露したからか、つい声が大きくなる。

date.《…へぇ、それはそれは》
バーテンダーはそのラウールの言葉に、落ち着き払った声で1つ呟くと、人当たりのいい笑顔で「…えぇ、承知致しました」と返答を零した。