>>３５(おまけ) ページ35
.
映画は一番怖いところになった。
主人公の身の回りで不幸なことが続出。
ひとりかくれんぼの時に使用した人形が、主人公を探している……。
泣きそうになりながらもちゃんもと見るあたり、私っていい子だなと思う。
ジュースを飲んで落ち着こうとするが全く落ち着かない。
微かに震えていると、私の右手に誰かのヒヤッとした左手が重なる。
ビックリしたが、すぐに章大だと気づいた。
少し安心して、また映画の世界に入り込む。
『きゃぁぁっ！！！』
この映画は、主人公の叫び声で幕を閉じた。
館内が明るくなると、章大の手は離されていた。
｢あー、面白かった！｣
｢また見たいわぁ｣
｢人形系っておもろいな！なぁ、A？｣
｢全然面白くない！｣
映画館から出て、お昼ご飯を食べることにした私たち。
何のご飯にするー？なんて喋りながらモール内をフラフラする。
そして、適当にフードコートに座る。
各自食べたいものを頼みに行く。
｢章大、さっきはありがと｣
｢え？何かしたっけ｣
｢映画のとき、章大が、手握ってくれたからちょっと安心して…｣
｢まって、俺そんなことしてへんで？｣
｢……嘘…。手貸して！｣
章大の手を触ると、暖かかった。
さっき私が手を握ったのはヒヤッとした手。
……じゃあ、さっきのは、誰…？
｢章大っ！私おばけと手繋いでた…っ！｣
｢そんなわけあるかい(笑)｣
｢本当っ…、私呪われた…！｣
泣きそうになりながら章大に訴える。
すると、丸ちゃんが章大をポンッと叩く。
｢意地悪言うたらあんよ(笑)｣
｢え…？｣
｢Aの手握ったの安田だよ(笑)｣
｢でも、手…｣
｢さっきの館内冷えてたやろ？だから手冷たかってん｣
一気に力が抜けた。
そうだ、この人無駄に演技力あるんだった。
騙された……。
｢さっきのビビり方はおもろかったで(笑)｣
｢章大のバカ！｣
｢私、呪われたぁ！言うてな(笑)｣
｢A可愛いな〜(笑)｣
｢真奈もバカにしてるでしょ！｣
怒っていると、真奈と丸ちゃんの呼び出しベルが鳴り、章大と二人きりになった。
｢ふ、ふふ(笑)｣
｢いつまで笑ってんの｣
｢だって…(笑)｣
本当に一発殴ってやろうかと拳を作る。
｢でも、可愛かったわ｣
へにゃっとした笑顔でそう言うから…。
つい、ドキッとしてしまった。
.
.
こうして、私たちのダブルデートは終わった。
.
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←>>３４(おまけ)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 431人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆ | 作成日時：2018年4月21日 18時
