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｢………へ？｣
ポカンとした顔で、私の方を向く。
｢私は、ずっと章大のこと諦めきれなかったよ｣
そう伝えると、少しだけ章大の表情が緩んだ。
私が、章大からの告白をOKした時と同じ顔。
｢俺、アホやから分からへん｣
｢えっ…｣
｢ちゃんと言うて｣
男らしい手が、私の方を掴む。
そしてまっすぐ見つめられた。
…絶対分かってるじゃん…。
｢私は、ずっと、章大のこと、｣
｢Aっ！章ちゃん！！｣
急に開いた保健室のドア。
そこにいたのは息を切らしてる亮。
え、何でこのタイミング…！？
｢亮〜、どしたん？｣
｢真奈から聞いてん！Aが菜穂達に何かされたから章ちゃんと保健室行ってるって…｣
｢それならもう大丈夫やで｣
｢ほんまぁ…？良かっ、た、うわっ！！｣
私の方を見て驚く亮。
何その失礼な反応は。
｢A、その、下…着……透けてるで｣
｢え？………うわっ！！？｣
体を見ると、濡れたシャツから少しだけ透けていた。
章大のパーカーはチャックが閉まっていない状態だからほぼ丸見え。
｢ごめんっ！じゃあっ｣
亮は顔を真っ赤にして後ろを向いた。
そしてそのまま保健室から出ていった。
騒がしかったな…(笑)
｢……そう言えば、章大気づいてた…？｣
｢え、おん。せやからパーカーのチャック閉めてなかったんやで｣
｢何してんの！？｣
悪いと思ってない笑顔に、ツッコミをいれる。
すると章大が、パーカーのチャックを上にあげた。
｢…今更意味無いでしょ｣
｢んー。亮とか丸ならまだええけど大倉とかクラスの男子には見せたないねん｣
｢……変なの｣
｢今知ったん？｣
いたずらっ子のようにニヒッと笑った。
章大の顔が耳元に近づいてきた。
｢……今日の放課後。教室におって｣
章大が、私に告白する前に言っていた言葉。
私は、あの時と同じように何も言わず頷いた。
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作者名：ゆ | 作成日時：2018年4月21日 18時
