いーとみー外伝 (ページ44)

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９-⑤ ページ44

「…誰も行くなんて言うてませんから‪w」
「…ほんとに？」
「はい
僕は生涯、繭華様にお仕え致しますよ」

嘘偽りないほんまの気持ち。

この子がたとえ…たとえいつか、俺以外の男の前で微笑む未来があったとしても
それを見届けることしかできない一市民に今更成り下がるくらいやったら、隣でそれを作り笑いで見てる方がよっぽどマシや。

苦しい思いも
痛みも
葛藤も
煩悩も
全部、俺はこの子に捧げたい。

「でも、嬉しかったですよー？行かないでって言うてくれて」
「あっ、当たり前じゃない！私が安田のことどれだけ好きだと思ってんのよ！」
「お褒め頂き光栄にございます‪w」
「いや、褒めた訳じゃ…」

彼女は赤らめた顔を少し俯かせる。

「でもー、先生にどう言って断ったらええか分からんのですよね〜」
「テストで手抜けば？」
「そういう訳にもいきませんって、無駄に怒られたない‪ですもんw」

ねえ、繭華。
いつもは絶対こうやって呼んだらあかんけど、心の中では呼ぶね。

いつもいつも、沢山好きって伝えてくれるのに
いつもいつも、スルーしてしまっててゴメン。

好きの気持ちに、答えることは出来へんけど。
君から貰った好きのキモチは、全部、全部胸の中に大切に仕舞っとるよ。
伝えることの出来ない、俺の好きのキモチと一緒に。