いーとみー外伝 (ページ42)

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９-③ ページ42

と、言いつつも
その時だけ俺はふと考えてしまった。

進路、か。
もし俺が、大学なんてものに行こうとしたら
そして、あの子と離れることになったら

この気持ちも、忘れられるんかな。

そしたら、少し楽なんかもしれへんな。

「お嬢様ー、お迎えに上がりました」

運転手と共に彼女の学校へと向かう(この頃は免許なんて取れへんから、運転手が付いとった)。

「安田ーーー！」

飛びつかんばかりに駆けてくる我が令嬢。
んんんん、可愛ええなぁ。

「はいはい、帰りますよー」

そんな心の内は一切見せることも無く、すっと車のドアを開ける。もう慣れた。

彼女は一瞬ぶーたれたものの、俺がドアを開ければすぐに機嫌を直してシートに腰掛けた。
俺も回り込んで隣に座る。

出発すれば、いつものように賑やかな車内の会話。

「安田！今日のテストね、安田が教えてくれたおかげですっごく良くできたの！」
「それは良うございましたねぇ、結果楽しみにしてますね」
「う゛っ…もしよ？もし悪くても、怒らないでね安田…？」
「え〜、どうしましょっかねぇ」
「やだああああ」