いーとみー外伝 (ページ5)

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２-④ ページ5

「安田ってこんな特技あったのね？」
「や、と、特技っていうか、練習しよ思て
やからさっきもやっとったんやけど…」

きらきら目を輝かせる彼女にド○○キして思わず目を逸らす。
そんな俺に、極めつけ。

「それってもしかして…私のため？」

うっ…
可愛い…
どうしよ、どないしよ。

この可愛さに抗うなんて…うん、出来ひんな。

「…はい」

わーめっちゃ恥ずかしっと思いながらやから、ちょっと口元笑ってもて、んで上目遣いで。
めっちゃ変な顔しとったやろなぁって思う。

彼女は「へへ」と嬉しそうな照れたような顔で笑った後

「ねっ、明日からもこれやって！」

そう言った。

ああそうか。この子も女のコなんや。
「いいわよ別に」っていうのは、要らないってことやなくて、俺に無理をさせたくないってことか。

そうやんなぁ。
いくつになっても女のコって、ほんまはお姫様みたいな可愛いもん、ずっと好きなんやもんなぁ。

「…わかった、それじゃあ、毎日可愛くします」
「やったぁ」

また嬉しそうに笑うと、「解いて」とちょっと寂しそうな顔で言う。
せっかく可愛いのに寝る時は崩さないといけないのが悲しいらしい。

そっとゴムを優しく解く。
彼女の滑らかな髪が絡まないように。

「安田のおかげで今日はいい夢見れそう！安田おやすみなさい！」
「…おやすみなさい、お嬢様」

おやすみなさいを言うこの瞬間が、俺は一番好きで、一番ド○○キする。
お互いがお互いのテリトリーに一番近づく言葉な気がして。

彼女の幸せな笑みを最後にバタン、とドアが閉まった。

「…お姫様」

そうや、そうやん。
あの子は俺のお姫様。
やからどんなことでも叶えたくなる。
何か特別なことをしてあげたくなる。
そして、それをしてあげたなら。また、君は僕のお姫様として輝きを増す。

…さて、約束してもうたし、もーちょい本腰入れてヘアアレンジの勉強せなあかんなぁ。
ええと、俺でも出来そうなん何かあるかな。

また、喜んで貰えるかな。

何処と無くワクワクしながら、俺は備え付けのパソコンを立ち上げて、インターネットの検索窓に『ヘアアレンジ簡単』と打ち込んだのでした。