いーとみー外伝 (ページ38)

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８-③ ページ38

丸山さんから昔、『執事室はドアが若干薄い』という話を聞いてはいたので声や息遣いが外に漏れないよう再三の注意をして

自身に手をかける。

そっと上下に動かして緩い刺激を与えながら、目を閉じた。

これがあの子やったら…何てありえない事を考えて、何なら想像してもうて
あかん俺は何を考えとんねん…！という罪悪感。

しかしそれは背徳になって余計興奮を煽る。

たまに先端を弄ってみたり、根本付近を扱いたり。
眉間に皺が酔ってるのが自分でもわかる。
もー、めっちゃ息とか声出したい…。なんて思いながらもう片方の手でティッシュを何枚か取った。

恋は漢字の下半分が心だから下心があって
愛は真ん中だから真心なんだって聞いた事がある。

やったらこの想いは紛れもなく『恋愛』やと思う。

彼女に尽くしたい。
誰より傍に居たい。
同じ時間を共有したい。
笑顔にしたい。

でも、それと同時に

思いっきり抱きしめたい。
キスしたい。
触れたい。
俺だけを見てて欲しい。

めちゃくちゃにしたい。
俺だけのものにしたい。

そんなどうしようもないことを、叶うはずもないことを、いつもいつも考えてる。
今この瞬間さえも。

あの子を、誰よりも可愛らしいあの子を、俺なんかを好きって言ってくれてるあの子を
どうしようもなく犯してしまいたくなる。

自分でも分かる、絶望と隣合わせの純粋で真っ黒な恋愛感情。