いーとみー外伝 (ページ32)

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７-② ページ32

「ねっ、ねぇ安田ぁ…ここまで来る必要あった…？安田が買ってくればいいのに…」
「何言うてるんですかお嬢様
ファーストフードは、自分で頼んで受け取って食べるのが醍醐味なんですから」

繭華様があんまり来なさそうなショッピングモール。
そのフードコートの中の某ファーストフード店の前で繭華様と俺はうろうろしていた。

「だ、だって、やったことないもん！」
「そうですよ？
今日はやった事ないことをしに来たんでしょ？」

そう言うと、「うう…」と顔を顰める。

ふふ、ちょっと意地悪しすぎてもーたかな。

「まあ最初からセットで頼むの難しいやろし、今日はメニュー見て単品で選んだらええよ」
「…安田のオススメは？」
「このお店やったらやっぱりポテトやなぁ」

わかった、とひとつ頷くと早速彼女はレジに向かう。
お、もうちょいかかるかと思たのに。

「いらっしゃいませー」

店員さんの声に、繭華様はちらっとテーブルのメニューを見て

固まった。

…もしかしていざとなったら緊張してもうた？
いやいやでも、俺は手助けしたない。
この何とも可愛らしいはじめてのおつかいを隣で見守ってたい。

「お決まりでしょうか」

店員さんの声に、またも彼女は俺の想像を超える言葉を言った。

「…三角チョコパイで」