いーとみー外伝 (ページ3)

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２-② ページ3

そして俺は執事室のやたら広い(大人になったらまあ丁度よくなったけど)ベッドに腰掛けて、買ってきたその雑誌を見ていた。

できるかも、とは言ったものの。
女のコの髪をいじった経験なんて、施設の時ちっちゃい子にやってあげたのと、いつも彼女の髪を縛ったってるのしかない。

出来んのかなぁ…こんな見た目凝ったやつ…。

そっと目を瞑って、彼女のサラサラの髪を想像する。

あの髪の中に指を滑らせて、こう…

滑らかなその髪の動きをイメージしながら、手を軽く動かしてみる。

…編んでいって、んでその後…

「安田？」
「はぇっ！？」

文字通り飛び上がって驚いた。
目を開いて見ると眠そうな目の我が令嬢が執事室の前に立っていた。

「どっ、どないしたんですか…？」
「ねむいのにねれないから来た…」
「あ、なるほど…」
「安田はなにしてるの…？」
「あっ、えっと…」

女性用雑誌のヘアアレンジのページ。
エアーで動いていた手。

言い逃れはきっと出来ない。

あっ
なら、むしろ丁度いい機会か。

「…繭華様、こっちおいで」