いーとみー外伝 (ページ12)

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３-⑦ ページ12

「安田、だいすきっ」

彼女が振り返って言ったので目を見開いた。
しかし何か言うより先に

ﾁｭｯ

ほっぺに柔らかい感覚があったのが先やった。

「…へ？」
「さてと、朝ごはん〜」

…俺、呆然。←

ほっぺにちゅーされた？

え、された！？

えっえええっ！？

いや、え？それは、その、好き？
あ、大好きって言ってたわ

え、その好きってどういう？
友達として？
執事として？

…男として？

「なっ、な、ないないないないない！」

きっと執事としてに決まってる。うん。
そうそう、さっきのやって、外国の人がようやるあのちゅってやつや、うん。絶対。

ていうかそれやったら俺やってやってええやつやん、今度やったろ。
え、やったろ！？何考えてんの俺！？無理無理無理！
そんなん、怒られたらどうすんの！？
いやそれとも怒られへん？むしろ…いや！いやいやいや…

というか！そもそもそういうんちゃうやろ！！きっと！！
ただの執事やもん。ありえへんよ、うん。やっぱ執事としての好きやって。うん。

そう思うのに。思うのに。

心臓の鼓動が、すごく早くて。

しかも
姿見の中の自分は

「顔あか…あっつ…」

何これ。
何やこれ。
もう感情ぐちゃぐちゃや。

どないしよ。

ｸﾞｩ〜〜〜〜

俺のお腹がめっちゃすごい音鳴った。

…あかん。気のせい気のせい！
お腹減っとっただけや！

「…ご飯食べよ」

分かってしまいそうな自分の感情を押し込めて、俺は広い広いダイニングへと向かったのであった。