いーとみー外伝 (ページ2)

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２-① ページ2

「…買ってもうたぁ…」

そう、買ってしまった。

この所友達と早々と別れ颯爽と帰るんが板に付いてきた頃合。

ふらっとコンビニに寄って、買ってしまった。

人生、初の
女性用雑誌。←

まさか自分が買うことになるとは思っても見いひんかったけど。

でも、見出しが目に入った瞬間、瞬時に財布の中身を確認したのは覚えてる。

『簡単カワイイ！ヘアアレンジ特集』

普段は彼女の髪をただ結わえるだけ。
それは丸山さんもツインに結わえるだけやったらしいし、彼女自身も「いいわよ別に」って言ってたから、俺もまあええかーって思ってた。

やから、自分の行動に正直驚いてもた。

どうやらあの頃俺は俺が思う以上に彼女のために何とか何かしたいみたいに思っていたらしい。

12歳の少年である自分に何が出来るか、きっとずっと考えてた。

パラパラとページをめくる手。

この辺やったら出来るかもとか、確かうちにアイロンあったよなぁとか、考えながら。

うち、かぁ。
もう俺の中では、自分の帰るとこ、あの子のとこなってたんやなぁ。