いーとみー外伝 (ページ40)

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９-① ページ40

「テスト返すぞー
今回の最高得点は安田、95点」
「はーーーい」

おぉ〜と周りから歓声が上がる。

以前、執事になってから真面目になったって話したと思うけど
彼女への想いを自覚してから、そしてその想いが届かないであろうことを知ってしまってから、真面目傾向はますます強まって
気づけばクラスで一番頭が良くなっていた。←

「今回のテストはみんな悪かったぞー
もうちょっと安田を見習え」
「でも先生、確かに今回難しかったで？」

そう口を挟むと

「そんなこと言って出来てんだから、お前はもうちょっと身なりを学生らしくしなさい。何で髪なんか染める必要があるんだ」
「あっははー…」

返す言葉もない。

真面目になる代わりに俺は髪を染めたりピアスを開けたりするようになった。

やり場のない愛欲や葛藤を、誰に打ち明けることも出来ない悩みをぶつける場所を探し続けた結果やった。

もちろんそんなんで気なんか晴れるわけもなかったけど、ちょっとだけイメチェンした自分の姿は何かかっこよくなったように思えたし

何より他でもないあの子が「安田、そういうのも似合うじゃない！ちょっとチャラいけど」と笑ってくれるのが嬉しくて愛しくてたまらなかった。