いーとみー外伝 (ページ16)

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４-④ ページ16

(…誰やねんお嬢様の好きな人…)

あまりに男子に会わなすぎてほんまに分からへん。
一目惚れとか？それなら有り得るかぁ。

…どんな、人なんかな。
やっぱ、俺より背高くて、大人で、優しくて、めっちゃムキムキとか？
せやったらどうしよ、絶対勝てへんやん。

そう思いながら繭華様の部屋に向かう土曜日の朝。

ｺﾝｺﾝ、ｶﾞﾁｬ

「お嬢様ー、朝ですよー」
「う゛、ん…ｹﾎｯ」

ん？

「お嬢様？」
ベッド脇に駆け寄って額に手を当てる。

熱っ
お熱やんこの子。

「お、お嬢様！ちょお待っとってください！」

急いでキッチンに向かい朝ごはんをお粥に変えてもらって氷枕を準備させた。

「ありがと安田…」

やはり予想通りというか、お嬢はダイエットしとったらしい。

「成長期のダイエットは自分にとって損ですよー？
栄養足りひんから風邪も引きやすくなるし」
「んー…」
「成長期にちゃんと食べへんとおっぱい育たへんよ？」
「ちょ、何てこと言うのよ…！困るけど！」

余計真っ赤になる繭華様。

「とにかく、もう無理なダイエットはせえへん！安田と約束してください！」

そう言うと、ぷぅっと頬を膨らませて、ぷいっと背中を向けるお嬢様。
えええ…年頃の女の子…。

「…恥ずかしいんだもん」

小さな声が聞こえた。

「え？」

「太っちゃってたら、着替える時安田に見せるの恥ずかしいもん！」

ええ…
ええ〜？(嬉しい)

俺のためぇ？(めっちゃ嬉しい)

頬が思わず緩む。

「…太ってませんよ繭華様は」

そもそも、太ってても
きっと僕は君が大好きやし。

…大好き。
もういっそそんな風に認めてしまおうかと心の中で思う
それくらいには破壊力のある言葉やった。

「ダイエットはね、継続的で適度な運動が何やかんや言うて一番効果ありますから
今度僕と一緒にやりましょ？」
「…安田と一緒なら、やる」

あぁ、ほんまにもう、この子は。