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ふらふらと頭もろくに回らないまま、居候先の友達の家に向かおうとして
(あ…あかんわ、友達ん家大学近辺やから電車や)
なんて思い出す。
ほんま頭回ってへんわ…
すぐに行く気にもなれなくて、ふらふらと駅前を歩き回った。
行き交う人は沢山いるのに
その誰にも、俺が心惹かれることはない。
あかんて俺。
こんなん、章 大が見たらどんな悲しい顔するか。
…あ、もう何でもないんか。
悲しい顔なんか、してくれないかもしれへん。
や、意外としてくれるかな？優しいからあいつ。
…あかん。頭ん中から全然消えへん。
「…え！？たぁ兄先輩？」
聞き覚えのある声に顔を上げると、
そこには柚希がおった。
「…お前なんでここおんねん」
「ボランティアサークル行く途中…てかたぁ兄先輩何かすごい顔してますけど大丈夫で…」
見知った顔の幼馴染に出くわしたのに安心したんか、思わずふらっと寄りかかってしまう。
「えっ、えぇ…？よ、よしよーし…？」
戸惑ってた柚希やったけど、そっと俺の頭を撫でる。
ああ、やっぱり
あいつとは、違う。
「…俺さ」
「はい…」
「あいつと、ダメになってしもたわ」
小さく呟けば、柚希が息を飲んだ。
「でも、あいつの事は責めんといて
俺が悪いねん、全部」
「っ…どうしてそんなこと言えるんですか」
「…好きやから」
もっと早く気づいてたら。
もっと早く、伝えてたら。
「好きやった…好きやのに、ほんまに…っ」
もう枯れたと思ってた涙が溢れた。
やっと気づけた。
でも、もう何もかも遅い。
その事実が、胸を容赦なく痛めつける。
「…たぁ兄先輩。私、傍にいます」
耳元で力強く言われた言葉に、目を少し開けた。
ぎゅっと強く抱きつく腕。
「私は、たぁ兄先輩の気持ち、全部は分かってあげられないかもしれないけど…
でも、今こうして傍にいることが、私が唯一章ちゃん先輩に勝てるところだから
貴方の心の穴は、私が埋めます…！」
…もうしがみつく場所なんてどこにもないと思ってた。
心が安らぐ場所も、誰より好きな人も、俺は全部章 大やったから。
でも今、頼ってもええよって言うてくれる人がいて
それに酷く安心してる俺もいて
その華奢な身体が折れそうなくらい力いっぱい抱き締めて、気が済むまで声上げて泣いた。
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みき(プロフ) - 番外編の更新ありがとうございます！！とっても良いです〜〜(//∇//)もう一個のお話もぜひ！読みたいです！！ (2020年7月27日 9時) (
レス) id: eb998853f9 (このIDを非表示/違反報告)
kyymm1(プロフ) - よつげ腐垢様！お久しぶりです！チョコレートボックスから拝見させていただいています！ついに番外編書かれるのでしょうか？楽しみにお待ちしています！ (2020年7月26日 6時) (レス) id: 90bf7eb55b (このIDを非表示/違反報告)
こずえ(プロフ) - 今回も読んでいると胸がきゅんとなる。感情の描写が丁寧なところが好きです。花火大会の夜のシーンが美しくて泣けるくらい好きです。いっぱい泣いたけど最後は幸せになれてよかった(泣)完結おめでとうございます！少し寂しいけど番外編もお待ちしております！ (2020年7月7日 0時) (レス) id: 0dd2759278 (このIDを非表示/違反報告)
雨悠(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当にこのお話が大好きで、苦しくて切なくて泣きながら読ませていただきました。番外編もヨコヒナもめちゃくちゃ楽しみにしてます！！！最初から読み直してきます！ (2020年7月6日 12時) (レス) id: de14c26198 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 完結おめでとうございます！そしてありがとうございます！切ない大倉くんサイドのお話も、本当に更新が待ち遠しく、楽しみでした！番外編も、ヨコヒナのお話も楽しみです！ (2020年7月6日 2時) (レス) id: eb998853f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よつげ腐垢 | 作成日時：2020年6月19日 22時
