丸山、ボロを出す。 ページ8
はたして私は丸山につめよっていた。
その内容はもちろんこないだ咲子さんから聞いた『世界一のおじょうさま』発言について
ではない。
いや、全くむかん係ではないのだけど。
事のおこりは数分前。
「もう!わかんない!丸山教え方ヘタ!」
「私はちゃんと教えてますよ?
お嬢様の理解力がないだけです」
「いやぜったい丸山が悪いもん!」
私は毎週土曜日に丸山が行う次の週のじゅ業の予習をしていたのだけど
内容が悪いのか丸山の教え方が悪いのか、それともほんとに私のりかいりょくが足りてないのか
全っぜんわからない…
そんな私に丸山はためいきをつく。
「全くもう…そんなんやったらええお嬢様にはなれませんよ?」
その言葉に私は思い出した。
そうだこいつ、咲子さんに『ちゃんと育てたらうんぬんかんぬん』って言ってたんだっけ。
「そっかー、丸山は私を世界一のおじょうさまにしたいんだもんねー、そっかそっかー」
からかうように言うと、少しビックリした顔をしたけど、すぐにいつもの顔にもどり
「ああ、聞いたんですか
でもさっちゃんかて、うちの使用人ですからね
主人の娘である貴女の御機嫌をとるためのお世辞に決まってますよ
そんなんも分からんとはほんま貴女は」
「さ っ ち ゃ ん ?」
今、聞きまちがいでなければ『さっちゃん』って言った。
おそらくその相手というのは…
「丸山って、咲子さんのこと…さっちゃんって読呼んでるの?」
かくして私は丸山を問いつめていた。
「…あっ!サッチャー!サッチャーですよ!」
「なにそれ」
「イギリスの元首相です」
「…で、それが何で私の使用人になるのよ?」
「あっ…」
かくごなさい丸山ぁ!!
11人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:よつげ | 作成日時:2019年2月27日 16時