もし僕が、 ページ16
丸山はしばらく何も言わなかった。
あーもう!ほんとのぞきたい!
なんでまたカギかけてるのよ丸山ァ!!
「…いくつか聞いてええかな?」
丸山の声の調子が、少しやさしくなった。
「その会社には勤めてへんのやろ?
それなのにそんなん…しんどないん?」
「しんどい、です…でも、妹のためにもなるし」
「妹とは仲ええん?」
「そんなでもないかな…
妹は、高校上がってから派手に遊んでて、私とはあまり気が合わなくて…
妹を助けるのは、どっちかって言うと義務感、みたいな」
丸山はそこでしばらくだまってから
「…じゃあもし、僕が、」
そこから先が聞こえなかった。
たぶん咲子さんの耳元で何か言ったのだろう。
ちょ、かんじんなところなんで聞かせないのよ丸山ァ!!
それに対する咲子さんの答えは
「…考えたことなかった
でも、いいの?私のせいで、迷惑かけて…」
「え、迷惑なんて思わへん!
むしろこっちは願ったり叶ったりとゆーか…」
だーかーら!めいわくの内容がわからないんだっつーの!!
「…考えてみる」
「うん、それまではこの件黙っとくけど
大人しくしといた方がええと思う」
「…ありがとう、本当に」
心からのようなトーンで言って、咲子さんがドアに近づい
て、やば!
私はいそいで部屋にもどりカギをかけた。
もー、何なのよ丸山。
明日ぜったい問いつめてやるんだから。
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作者名:よつげ | 作成日時:2019年2月27日 16時