自白 ページ14
夜、丸山はしつ事室に咲子さんを呼び出した。
私は二人が部屋に入るまでを見とどけてから、ぴとっと耳をドアにつける。
丸山は部屋に入るなとは言ったものの
聞くなとは言わなかった。
私から情報をもらったわけだし、何より私が気にしているとふんだのだろう。
丸山はことのしだいを咲子さんに説明する。
その声はきわめてじむ的でかたかったけど、少し、ふるえていた気がした。
「…ほんまなん?」
さいごに丸山が聞く。
やっぱりのぞきたかったな。
咲子さん、今、どんな顔…?
「…ごめんなさい」
「ほんまなんや」
「…はい」
丸山の大きなためいきが聞こえる。
私は…まだ好きな人はいない。
でも、もし私だったら、どうしただろう。
もしも好きな人が、私をうらぎってたら。
理由が、知りたいな。
なんでそんなことしなきゃいけなかったのか。
だって
前に見たあの顔は、きっとちゃんと丸山のことが好きだったもん。
「…何でなん?」
そんな私の思いはどうやらまちがったものではなかったらしく、丸山がそれを聞いた。
「…すみません」
「謝れなんて言うてへん
理由が知りたい」
いったんきびしい言葉を言った後で、丸山はつづける。
「…僕の役目は繭華様の執事だけとちゃう
この屋敷に入ってきた『侵入者』を…排除する仕事もある」
そう、それは丸山が私のしつ事になる前からパパにおおせつかっているお仕事。
「…でも、僕個人としては」
お?
「君の願いは、出来るだけ叶えてやりたい
もちろん限度はあるけど…」
その言葉は…本当?
咲子さんのこと、悪いようにはしないんだよね?
大丈夫だよね?
「何があったのか…教えてくれへんかな」
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作者名:よつげ | 作成日時:2019年2月27日 16時