総長補佐は愛されすぎている 2【東京卍リベンジャーズ】

9:初めは*[春千夜side]〜リク〜 ページ10

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「ねぇ、Aちん」

「何、総長」


今日も今日とて王とその近くにいる女は距離が近い


王もこんな女のどこがいいんだ？


チビだし、戦ってるとこ見たことねぇけどどうせ王に守られてるからって調子乗ってんだろ


ああ、ウゼェ


早くどこかいかねぇかな…


「春千夜」


急に目の前にきたコイツはオレの名前を呼んできた


いつ来たのか分からなかったし、相変わらずチビだな


オレを見上げるその瞳は何考えてるかわかんねぇし


『どうしました？』


名前を呼ばれたから返事してやったのにそれでも黙ったまんまのこの女


もしかしてオレがオマエのことをよく思ってないことがバレたのか？


この女無駄に勘がいいからな


よく思われてないこと分かってんならなんで話しかけてくんだよ


「マイキーから頼まれたから一緒に来てくれる？」


どうやら王はオレとこの女でここらで暴れてるヤツらを倒してきて欲しいらしい


王はこの女にいつも喧嘩させないくせに珍しいな


しかもついていくのがこのオレって……


気分は乗らねぇけど王の頼みだし仕方ねぇ


そしてその現場に行く途中、この女は仕切りにオレに話かけてくる


猫被ってるし、相手しなきゃ行けないが他愛もない話をするコイツは人生楽しそうだ


たまに見せる笑顔を見る限り顔はいいとは思うけど


と、柄にもないことを思っていると目的地についたようだ


「春千夜はここで待ってて」


入り口に入る前にこの女は生意気にも1人でやると言い出した


どうせ喧嘩なんか出来ねぇくせに何いってんだ


『わかりました』


いい機会だ、痛めつけられて王から離れてくれればいいんだ


オレがこの中に入るのはこの女がトラウマを抱えるぐらい暴力されたら


さながらピンチを助けた王子にでもなったやろうじゃねぇか


「ドガッ！！」


お〜お〜始まった


結構派手に殴られてるなぁ


でもここまで殴られてるのに声聞こえねぇ


無駄に我慢強すぎねぇ？声出せないほど痛いのなら可哀想だなぁ


入り口から音のする方を覗けば信じられない光景に思わず“は？”と声が漏れてしまった


オレが気にくわねぇヤツは何十人もの男に囲まれているくせに蹴りで相手を倒していくその様子は悔しくも見惚れるぐらい綺麗だった


いや、コイツにとってはオレでさえも簡単に倒せるんだろうなと思ったら久し振りに興奮した


＿＿＿いつかオレのものにしてぇ


そんな気持ちが芽生えたのは初めてだった

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