11-2 君を知りたい ページ18
「えーAちゃんどちらの日付でも不可なの?」
「そうなんすよいやー参りましたね、出来ればプチ歓迎会も兼ねたかったんすけどねぇ...」
「まぁ予定があるなら仕方ないよな、残念!歓迎会は正式入社でいいんじゃない?」
「そうするしかですよね。」
期限内にしっかり記事も提出。入社して1ヶ月もしていないのにこうちゃんも校閲でも、ほぼ修正無し。
優秀な一社員である彼女のプライベートに踏み入れる事は、勿論出来ない。
「とはいえ、なぁ。もう少しなぁ...」
「あー、壁?」
そう、彼女には壁を感じるのだ。
けれども社員とも学生ともコミュニケーションが増え、上手くやっているように思える。人見知りするタイプでもなく、その上良い距離を保っているように思える。
俺の扱いに慣れ始めたのもまた一つ。
だがしかし、どこか掴めないところがあるのも事実。
「プライベート見えないもんな、Aちゃん。」
「そうなんすよね。」
「あ、福良さん〜。福良さんの知るAちゃんってどんな人?」
丁度執務室へ戻ってきた福良さんに須貝さんが話しかける。
確かに俺たちよりも彼女の事を知っているのは圧倒的に彼であろう。
「Aちゃん?んー、あ、25日は彼女休みだよ。」
「それはさっき本人から聞いた。理由知ってます?」
「伊沢はAちゃんの副業の詳細って知らないんだっけ?」
「音楽関係、でしたよね?」
「そう。ライブハウスの運営やってるみたいで。ここ最近クリスマス間際で相当忙しいみたいだよ、24,25が地獄だってさ。」
「え、Aちゃんって他に仕事してんの?」
「元々ライブハウスで働いてたみたい。そっち辞めるわけにはいかないらしくて、平日はウチ。週末はアッチ。凄いよね〜」
「働きすぎじゃん!ヤバ!」
確かにクリスマスともなれば、どこのライブハウスでも必ず催し物があるだろう。参加できない事は納得出来る。
だがしかし...
「福良さんってAちゃんから壁感じます?」
「壁?」
「俺は感じてるんすよね、人見知りしないし誰にでも優しいし仲良く話してるけど...みたいな。」
「あー...まぁ今の方が壁はある、、かな。Aちゃん絶対写真写らないし、帰りも基本的に1人でしょ?でも何か事情があるんじゃない?」
当たり前だが知らない事ばかりのAちゃん。
彼女は何故壁を作るのか、なんとなく感じる彼女の隠している事は一体何なんだろうか
「いつか話してくれると思うよ、ね伊沢。」
「、そうっすね。」
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作者名:るん子 | 作成日時:2020年7月25日 14時