【QK】たんぺん(仮) (ページ6)

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退社の理由(mzkm) ページ6

「俺と一緒なんですね。」
生憎不参加となった先日のQ uizKnockの全体会
隣を歩く先輩も俺と同じくこの年度末で退社するらしい。
「まぁね。水上くんもお疲れ様。」

オフィスの近くでたまたま遭遇したAさん。
コンビニに行く最中らしく、お供する事した。
みんな程の接点は無いが、お世話になりそして数少ない異性の先輩。
春以降も継続だと思っていたので驚いた。

「いえ、Aさんこそお疲れ様です。春からは何を？」
「んー伊沢以外は知らないんだけど、実は自分の為の時間にするから仕事は暫くはしないつもり。」
「そうなんですね。」

川上からは前向きな退社と聞いていたので転職かと勝手に想像していた。
「あ、川上には内緒ね」
先手を打たれた。

久々に訪れたオフィス最寄りのコンビニ
「水上くんは研修医だっけ。メディアの仕事も一旦は終わりでしょ？」
「そうですね、流石に副業は出来ないので事務所も退社しますよ。」
「そうだよね～。未来のお医者さんか！今から媚び売ろうかな？」

コンビニ籠片手に冗談まがいな発言をする先輩

「病気には気をつけて欲しいですけど、何かあったらお力になれるはずですよ。」
「期待してまーす、水上先生！」

「ご馳走様です、Aさん。」
「いいえ～飲み物くらい気にしないでよ。」

会計を済ませコンビニからオフィスへの帰路に着く。
「水上くん寄ってくー？」
「寄りたいんですけど、予定あるので近くまでで。」
「そっか、じゃあまた今度...うっ」

突然、隣にいたはずのAさんが視界から消える。

「Aさん...！？大丈夫ですか？」

顔面蒼白なまま口元を抑えしゃがみ込む彼女
「これ使って下さい。」

飲み物を慌ててビニール袋から取り出しビニール袋を手渡す。
背中をさすり落ち着くのを待った。

その瞬間、なんとなく悟ってしまった。
福良さんから聞いていた体調不良、年度末退社、そして今の症状。

「...ありがとう、少し落ち着いた。ビニール袋助かったよ～」

暫くして落ち着いたが力の無い笑みを浮かべるAさん。
「水上くんは察し良いから分かったと思うけど伊沢しか知らないの。みんなには黙っておいて欲しい。」
「どうして言わないんですか？」

顔が悲しげに曇る。
聞いてはいけなかったか...

「ごめんね...さて戻らなきゃ。」
「...Aさん、絶対に俺には頼って下さいね。俺、定期的に連絡しますからね。」
「......伊沢もだけど水上くんも心配性だなぁ。......ありがとうね。」