★また恋をする(izw) ページ12
一体どこで道を間違えたのであろう。
「あのさA、俺たち別れようか。」
目の前には世界で一番愛おしい人。
「...うん、わかった。今までありがとう拓司くん。」
貴方のそんな表情見たくなかった。
今、私は笑えているだろうか
「夢...か。久々に見たな。」
大学時代、2年ほどお付き合いしていた彼と別れ際。あっさり別れてしまったあの日、2年なんて案外一瞬で消え去ってしまうのかと感じたあの日。
同じ年数が過ぎたにも関わらず定期的に夢に出没する元彼。
「未練たらたらじゃん...私。」
「Aさん大丈夫ですか？体調不良ですか、？」
就業中も見事に絶不調。
何をしてもイマイチな出来に途切れ途切れとなる集中力。
仕舞いには後輩にも気を遣われてしまう。
「んー、寝不足なのかも。大丈夫だよ、ありがとう。」
今日は早めに切り上げて直帰しようと心に決め、大して進んでないPC画面な再度向き合う。
あぁ...今日はだめだ。
ようやく定時。
結局業務はろくに進まず早々に今日は諦める。
「ごめん、今日はもう上がるね。」
「お疲れ様です！沢山寝て下さいね。」
「ありがとう〜」
後輩に声をかけオフィスを後にする。
どうにか明日までに切り替えなきゃ
定時退社が珍しい私にとって普段よりかなり早い電車。
普段社会人ばかりの車内が今日は高校生や大学生が多い。
1,2時間早いだけでこんなにも違うのか、そういえば入社当初はいつもこの時間帯には帰れていたのになぁと思う。
ボーッと立っていると次の駅に停車したらしく乗車した人とぶつかり手からスマホを落とす。
「あ、すいません。」
「いえ、こちらこそ落としてしまっ......」
ぶつかってしまった人がスマホを拾ってくれたらしく私に手渡そうとすると急に動きが止まる。
ろくに人の顔を見ていなかったが、このタイミングで私は漸く相手の顔を確認した。
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作者名：るん子 | 作成日時：2020年4月10日 3時
