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#5-2 ページ10


 
「あれ、Aさん?」



リーズナブルかつ、意外と美味しかった創作居酒屋を出て、歩き始めると声をかけられた。

そのエリアで知り合いなんて殆ど居ないのに...不思議に思いながらも声の聞こえた方へ顔を向けた。





「山本さん...?お久しぶりですね。」





声をかけてきたのは同じ大学の山本さんだった。

1年ほど前、たまたま同じ講義で同じ班であった先輩である。
そこらに居る女性よりも愛嬌があり、笑顔が可愛いと人気の先輩。


時々キャンパスで見かけるもののこうやって話すのは、講義以来初めてであった。





「いまAさんが出てきたお店って、新しいお店だよね?どうだったー?」

ニコニコしながら連れの人と思われる男性から離れ、こちらへ歩いてきた。
あ、連れの人は大丈夫なのかな...



「結構美味しかったですよ。リーズナブルですし割と学生の味方かもです。」
「そうなんだ!ちょうどこの辺りのお店殆ど制覇しいて気になってたんだ。
今度行ってみるね、ありがとう〜」
「制覇...すごいですね。」



まぁね〜と更に笑みを浮かべる山本さん。


「お連れさんも居るみたいですし、私そろそろ失礼しますね。」

切り上げようと思った瞬間、山本さんからまたも声が掛かる。



 
 

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作者名:るん子 | 作成日時:2020年4月2日 3時

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