#12-2 ページ27
キャンパス内で山本さんっぽい人を見かけると咄嗟に逃げてしまう。
先輩に対してとても失礼なのは重々承知しているのだが...
つい...つい逃げてしまうのだ。
けれどメッセージまでは無視出来なくて、というかせめてでも罪滅ぼしでメッセージだけは反応するようにしている。
既に今まで通っていたコンビニに行かなくなって1ヶ月ほど経過した。
あの日以降、河村さんには会っていない。
連絡先も知らないし知られていないのでコミュニケーションを取る方法は限られてくる。
そして限られた方法でもまだ彼には遭遇していない状況。
店舗の出勤もギリギリまでHPの掲載も控え、上がり時間も変動させている。
ここまでする必要は無いのかもしれないけれど、やり過ぎくらいが恐らくだが丁度良い。
山本さんは同学の先輩であり講義でお世話になった事もあり山本さんまで避けなくても...とも思うが、河村さんの話題を出されるのを正直気まずい。
勿論、山本さんも河村さん同様に有名で且つ人気者というのも理由に含むのだが
「でもいつかは山本さんにはちゃんと話さないと、、だよね。」
今日も逃げてしまったが意を決して山本さんとのトーク画面を開く。
ここのところ連絡が来ていても、すいません。や予定があります。といったような業務的かつ短文の文面。
そろそろしっかり向き合え、わたし。
山本さんにはまずこの数々の無礼を謝罪しよう。
次の講義開始まであと10分。
それまでにこのメッセージは絶対に完成させよう
−近日中、お話したい事があるのですがお時間割いていただけますか?
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作者名:るん子 | 作成日時:2020年4月2日 3時