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#7-4 ページ17


 
「......素晴らしい環境なのですね、お仕事先が誇れるのは羨ましいです。」
「何故ですか?...夜のお仕事は簡単に出来そうに見えるだけで、誰でも出来るお仕事ではないと僕は思いますよ。」


「あぁ...ご存知なのですね。」









カワムラさんには知られたくなかったなぁ...


 

「まぁ、時間帯とその服装でなんとなくは察していましたが...


僕には、いかなる時でも笑顔を保つ事も
どんな人へも微笑みかける事も
時に不快な思いをしたとしても我慢する忍耐力すらありません。


でもAさん...
貴女はそれが出来て人々に癒しを与えることが出来る。
それは誰にでも出来る事ではありません。」


「......カワムラさんは優しいですね...」


前向きにこんなにも良く捉えて貰えることはそうそう無い。
彼は本当に神様か何かなのだろうか...
このままでは思わず泣いてしまいそうだ。

 

 
 

 
  涙腺よ、もう少し我慢して...



「...あ、わたしの家です。
カワムラさんここまでで大丈夫です。ありがとうございました。」
「もう着いてしまったのですね、やはり5分ほどですとあっという間ですね。」



カワムラさんからコンビニ袋を受け取る。
ほんの少しぶりに手元に戻ってきた品々はやはり重かった。



「ありがとうございました。Q uizKnockですね覚えました。記事拝見しますね。それでは...」


早口でカワムラさんに別れを告げる。
本来ならば、もう少しだけ話していたい気持ちもあるが今はそれどこれでは無い。



「...はい、ではまた。おやすみなさい。」


おやすみの言葉を聞いて急いで身体の向きを変える。
あと少し...頑張るんだ私。


マンションのエントランスの自動ドアが閉じる瞬間、カワムラさんに名前を呼ばれた気がした。









 
 
 
 

「Aさん!...今度お店伺ってもよろしいですか?」





うまく聞き取ることが出来ず、カワムラさんが何を伝えたかったのか不明だが
とりあえず首を縦に振っておいた。







 
 
 


そして、首を縦に振ってしまった事を翌日早々に後悔することになる私であった。




 
 

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作者名:るん子 | 作成日時:2020年4月2日 3時

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